就労移行支援の利用を考え始めて色々調べていくと、結構たくさんの種類があることに気がつくと思います。
「就労移行支援」とひとことで言っても、実は事業所ごとに支援のスタイルやプログラムの内容は大きく異なります。
私のブログでは、就労移行支援事業所について、プログラムの方向性や利用方法の違いの観点から、3タイプに分類してご紹介しています。
\こんな感じ/
3タイプの事業所にはそれぞれに特徴があるため、「就労移行支援をどんな目的で利用したいか」によって向き不向きが変わると考えています。

今回の記事では、就労移行支援を3タイプに分類したときの、それぞれの違い・特長を整理しながら、いまのご自身に合う選び方についてわかりやすく解説していきます。
\この記事を書いているのはこんな人/
就労移行支援を3タイプに分けて考える|訓練内容と利用方法

就労移行支援と言っても、実際にどんな方針なのか、どんなプログラムが利用できるのかという点は、事業所によってかなりの違いがあります。
「どこも同じようなことをやっていそう」と思われがちですよね。
しかし、プログラムの方針・重視しているポイント・可能な利用方法などは、本当に大きく異なります。

はじめに、私が考える就労移行支援3タイプの違いについて共有していきます。
タイプ① 就労リズム重視型事業所の概要

就労リズム重視型は、決まった時間に決まった場所に通う訓練を通し、
生活リズムを安定させ、社会復帰への後押しをする
これを一番の目的とするタイプです。
集団での利用がメインになるため、社会復帰後の職場環境を想定した対人訓練も兼ねています。
事務・軽作業・対人スキル練習・就職活動のサポートなどを通し、汎用的・総合的に就職準備を進めていくタイプです。
いわゆる「王道型」と言われるタイプで、全国的に事業所数が一番多いのはこちらです。

「机に向かって何かのスキルを身につける」というよりは、生活リズムを整え、集団での利用を通して社会復帰を目指す方向性です。
\こちらのタイプになります/
タイプ② 在宅利用対応型事業所の概要

就労移行支援のなかには、自宅からプログラムに参加できる「在宅訓練」に対応する事業所があります。
在宅訓練を利用できるのは、社会復帰を考えているものの、体調や障害特性の関係上、事業所への通所が難しい方になります。
また、在宅訓練ありで利用したい場合には、利用開始前に自治体からの許可を受けておく必要があり、在宅訓練中心の利用であっても、月1回は事業所に通所する必要ありと決められています。
在宅訓練対応型の事業所では、在宅勤務でよく使われるツールに慣れることができるため、将来的に在宅での就労を目指す方にも相性がいいタイプです。
\こちらのタイプになります/
タイプ③ 特定分野特化型事業所の概要

就労移行支援のなかには、先端IT・AI・プログラミング・Webデザインなど、特定の職種やスキル習得に特化した事業所があります。
特化型の事業所では、「社会復帰できたらいいな…」というふわっとした感じではなく、
「しっかり知識を身に着けて、自分はこの分野で社会復帰したい!」
という明確な方向性がある方向けのプログラムとなっています。
職業訓練や専門学校に一番近いのが、このタイプです。

特化型の就労移行支援は、明確な意思を持って利用する方が多いです。
漠然とした方向性のまま選ぶと、途中で辛くなる可能性もあるため、よく考えてから決めるのをオススメします。
\こちらのタイプになります/

次は、就労移行支援3タイプそれぞれの特徴・向いている方・注意点について、もう少し詳しく見ていきましょう!
就労リズム重視型の就労移行支援とは?

就労リズム重視型の事業所は、事業所に週5日通えることを目標とし、対人訓練を兼ねながら社会復帰・就職に向けた準備を進めていくことに重点を置いています。

「就労移行支援」と聞いて、多くの人が最初に思い浮かべるイメージが、このタイプだと思います。
決まった時間に決まった場所に通えることを重視

就労リズム重視型の事業所では、基本的に平日週5日×1日4〜6時間程度 といった形で通所をしていきます。
※利用開始時は体調に無理がでないよう、週1・2回×短時間からの利用が多いです。
- 毎朝同じ時間に起きて外出する
- 他の人と同じ空間で過ごす
- 日中の一定時間活動を続ける
- 帰宅して身体を休める
この、週5日の通所を続けるという訓練を通して、毎日出勤して働くのに必要な基礎体力・精神力づくりができる構成になっています。
訓練内容は事務・軽作業中心|事業所によりプログラムの幅がある

就労リズム重視型の事業所はたくさんありますが、最も多いのは事務・軽作業系の職種を想定した、汎用性の高いプログラムを行う所です。
就労リズム重視型に共通するプログラムとしては、
こういった構成の事業所が多いです。
対人訓練を兼ねて社会復帰の準備をしたい方に向いています

就労リズム重視型の一番のメリットは、利用者間やスタッフとの会話を通し、日常的にコミュニケーションを取る機会を持てることです。
プログラムを受けるなかで、
といったメリットがあります。
一方で、体調がまだ不安定な方や、毎日の通所を負担に感じる方にとっては、かなりハードに感じることもあります。
就労リズム重視型事業所の例
就労リズム重視型の事業所には、以下のようなところがあります。
ミラトレ
ミラトレは、障害者転職サイトの最大手dodaチャレンジと同じ企業(パーソルダイバース)が運営しています。

運営元自身が特例子会社であるため、ミラトレで行われるプログラムには、特例子会社で実際に行われる業務が訓練として提供されるなどのメリットもあります。
就労訓練の一環として、企業実習にも力を入れています。
ミラトレは関東から関西にかけ、全国に15箇所の事業所があります。
就職率は95%を誇り、幅広い業種と規模の企業への就職実績があります。
▶ (公式サイト)
ミラトレについての単独レビュー記事も書いています。
ベーシックなプログラムながらも、障害者転職のボリュームゾーンに合わせたスタイルなので、多くの方にオススメできると考えています。

atGPジョブトレ(障害別コース)
atGPジョブトレは、障害者転職サイトの大手アットジーピー【atGP】と同じ企業(株式会社ゼネラルパートナーズ)が運営しています。


atGPジョブトレ最大の特長は、障害別のコース制を設けている点です。

自身の特性と近い利用者間で訓練が行われるため、特性に特化した訓練や支援を受けることができます。
特に、自身の障害との向き合い方・つきあい方に力を入れています。
atGPジョブトレは関東から関西にかけ、全国に12箇所の事業所があります。
就職率は97%を誇り、幅広い業種と規模の企業への就職実績があります。
atGPジョブトレ(障害別コース)についての単独レビュー記事も書いています。
うつ・発達障害・統合失調症などの障害特性別でコースが組まれているため、同じ障害を持つ仲間とともに、障害との付き合い方についてもしっかり学んでいける構成になっています。

在宅訓練対応型の就労移行支援とは?

近年は通所型だけでなく、在宅・オンラインで利用できる就労移行支援事業所も増えています。
事業所によって在宅利用が前提のところと、利用者の要望に合わせて通所と在宅を組み合わせて利用できるところがあります。
在宅利用OKの事業所であっても、月に1回は通所が求められるケースが多いため、この点は注意が必要です。

体調面の不安や外出へのハードルが高い方にとっては、こちらのタイプは利用価値が高いかもしれません。
在宅訓練型も就労移行支援の正式なサービスです

在宅訓練に対応する事業所も、通所型と同じく障害者総合支援法に基づいた福祉サービスのひとつです。
在宅での訓練利用を希望する場合は、お住いの自治体(市区町村の役所・福祉担当課など)から許可を受けておく必要があります。
在宅訓練に対応する事業所では、自治体に申請する際の支援も行ってくれるところが多いです。
在宅訓練では事業所とオンラインでつながり、
といった方法で支援を受けることが可能です。
最大のメリットは身体的負荷を抑えて訓練ができること

在宅訓練のメリットは、
という点です。

特に、うつ症状が強い時期・対人不安が強い方・感覚過敏などがある方の場合には、安心してスタートしやすく、恩恵を受けやすいタイプと言えます。
デメリットは自己管理の難しさとコミュニケーションの不足

一方で、在宅訓練型には以下のような注意点もあります。
誰かに見て貰わないと自律的に行動できないタイプの方だと、なかなか上手く利用できないかもしれません。

在宅だから全てが解決できるわけではなく、自己管理能力が求められるのがポイントです。
在宅訓練対応型の就労移行支援例
在宅訓練対応型の就労移行支援には、以下のようなところがあります。
manaby(マナビー)
manabyは在宅訓練対応型でありながら、東北から九州にかけ全国に30箇所以上に事業所があるのが大きなポイントです。

特に、本社のある東北エリアや関東近郊に事業所が多く、近隣に住む方にとっては通所時の利便性が高いと言えます。
訓練には独自開発のeラーニングを使用しており、Webデザイン・Web制作・プログラミング・事務系スキルの習得に対応しています。





就職先の約7割が特例子会社や障害者雇用枠であるのも大きな特徴です。

manabyについての単独レビュー記事も書いています。
2016年の創業当初から在宅訓練の仕組みを取り入れているため、実用性の高い在宅訓練を選びたい方にオススメできると考えています。

キズキビジネスカレッジ
キズキビジネスカレッジは、関東周辺と関西エリアに計12箇所の事業所を持っています。

キズキでは、就労移行支援では異例の、一般雇用での就職割合が高めである点が大きな特徴です。

キズキでは自己理解や適職診断を大切にしており、そこで見えてきた進路や方向性に合わせ、多様なジャンルからプログラムを選べる体制になっています。
プログラムには、適職診断・セルフマネジメント・Web系・会計・マーケティング・英会話・動画編集・フリーランス養成講座など、さまざまな分野が用意され、通所と在宅の両方で同じように学べる仕組みが整っています。

自由な雰囲気でありながらも、就職率は83%・定着率は96%と、確かな実績を残しています。
▶ (公式サイト)
キズキビジネスカレッジについての単独レビュー記事も書いています。
一般雇用枠に進む方が多く、幅広いジャンルへの就職実績と高い定着率を誇っているため、良い意味であまり就労移行支援「ぽくない」事業所だと思います。

特定分野特化型の就労移行支援とは?

就労移行支援の中には、特定の分野や職種に特化したプログラムが強みの事業所もあります。
たとえば、以下のような分野です。

どんな職種を目指すかがある程度明確になっている方にとっては、こうした特化型の事業所は利用価値が高いといえます。
特定分野特化型とそれ以外の違いは?

就労移行支援の多くでは、特定の職種を意識したプログラムではなく、汎用性の高い訓練が行われます。
例えば、ビジネスマナーや生活リズムの安定など、社会復帰を目的とした基礎訓練が中心になることが多いです。
一方で、特化型の就労移行支援では、
など、就職・転職直結型の色が強い傾向があります。
一般型と特化型の特徴比較表
一般的な就労移行支援と特化型タイプの違いを比較すると、以下のようなイメージになります。
| 一般型 | 特化型 | |
|---|---|---|
| 基本 方針 | 生活リズム・ビジネス マナーなど基礎訓練を重視 | 特定職種のスキル訓練 が中心 |
| 訓練 内容 | 軽作業・模擬業務 グループワークなど 幅広い | IT・AI Webデザインなど 専門カリキュラム |
| 就職先 傾向 | 幅広い職種 | 選択した分野に 関連した求人が多い |
| 向いて いる人 | ・今までと同じ職種で 復帰したい ・方向性がまだ 定まっていない | ・目指す職種がある程度 定まっている ・スキル習得により キャリアチェンジしたい |
メリットは効率的なスキルアップ環境

特化型就労移行支援のメリットは、以下のようなポイントになります。
注意点は支援の質と求人職種の幅

特化型の就労移行支援で注意したいのは──
という点です。
特化型就労移行支援が向いているのはこんなタイプ

こんな方には、特化型の就労移行支援が向いていると言えます。
特化型の就労移行支援事業所例
特化型の就労移行支援事業所には、以下のようなところがあります。
Neuro Dive(ニューロダイブ)
Neuro Diveは、AIなどを活用したデータ分析や業務効率化など、高度なITスキルを取得し就職を目指す、超特化型の就労移行支援です。
即戦力となる人材育成プログラムを基本とし、就職者の76%が学んだスキルを活かした職種についており、定着率は96%を超えています。


在宅勤務比率が6割を超えるのも大きなポイントです。

Neuro Diveは基本的に通所型のみの対応で、事業所は関東から九州に掛け全国5箇所となっています。

Neuro Diveでは、毎週Web上で30分間の説明会が開催されており、説明会の後には30分間の個別相談会も設けられています。
事業所見学に行く前に広く情報を入手でき、じっくり検討することが可能です。
【Web無料説明会受付中!】
NeuroDiveについての単独レビュー記事も書いています。
先端ITやAIに深い興味があって、一般就労に負けない条件やリモートワークなど、多様な働き方を実現させたい方には、かなりオススメできる事業所です。

ジョブトレIT・Web
ジョブトレIT・Webは、IT・Webスキル特化型の就労移行支援です。

ジョブトレIT・Webでは、Webデザイナー・ITエンジニア・動画編集の3つのコースが用意されており、通所開始後に利用コースを決めることが可能です。
教材には、名門スクールデジタルハリウッドの動画講座や、Adobe社のソフトが使用されます。
就労移行支援のサービスであるため、上記のソフトにかかる費用も利用料の中に含まれます。
プロ講師が常駐しており、不明点はいつでも質問できる点も大きなメリットです。
基本は通所型のみの対応で、事業所は関東から関西に掛け全国6箇所となっています。
就職率は98%を誇るのも大きな特徴です。
ジョブトレIT・Webについての単独レビュー記事も書いています。
初期費用を抑えながらWeb系や動画編集のスキルを身につけ、仕事にしていきたい方には特にオススメできます。

就労移行支援タイプ別比較一覧表
最後になりますが、今回ご紹介した就労移行支援事業所6社について、もう一度全体を俯瞰できる比較表を掲載しておきます。
| タイプ | 向いている方 | 公式サイト | まゆみの解説記事 |
|---|---|---|---|
| IT・Web 特化型 | IT・Webなどの スキル習得に特化し、 一般企業のIT専門職・ クリエイティブ職を狙いたい | Neuro Dive(解説) ジョブトレIT・Web(解説) | |
| 在宅利用 対応型 | e-ラーニングを中心に 自発的にPCスキルや 事務系の実務を学び、 大手企業や特例子会社の 事務職を狙いたい | manaby(解説) キズキビジネスカレッジ(解説) | |
| 就労リズム 重視型 | 体調とメンタルを整え、 企業実習などで実践を 重ね、働き続けるための 「継続力」を身につけたい | ミラトレ(解説) atGPジョブトレ(解説) |
就労移行支援の選び方|大切な視点は?

就労移行支援は、「どこも同じ」ではありません。
事業所ごとに、支援の方針・雰囲気・得意分野が大きく異なります。
だからこそ大切なのは、就職実績などの数字よりも前に、「いまの自分に合うのはどんな条件のところなのか」です。

こちらの章では、見落としがちな視点を整理していきます。
就職率などの数字よりも「いまの自分が継続できるか」

就労移行支援を探していくと、つい就職率などの「数字」に目がいきがちです。
就職率や定着率など実績を表す数字は、もちろん一つの目安にはなります。
しかし本当に大切なのは、選んだ環境や分野で、自分が無理なく訓練が続けられるかどうかです。
継続できなければ、どんなに実績のある事業所でも意味がありません。
今の体調・生活リズムを基準にすることが大切

今の自分の体調や生活リズムを無視して「将来性」や「理想」だけで選んでしまうと、後から苦しくなります。
選ぶ基準は未来の自分ではなく、いまの自分を基準にしましょう。

無理をして体調を崩したときの状況を、冷静に思い出してみましょう。
1か所で決めない【見学・比較は大前提】

就労移行支援は、必ず見学できます。むしろ、見学せずに決めるのはもったいないです。
実際に事業所見学に行くことで、公式サイトの説明だけでは見えなかったポイントに気づくことができます。
見学先を探す際は、まず自宅から通える範囲にどんな事業所があるかを把握しておくとスムーズです。
地域別のおすすめ事業所は、記事末尾でまとめて紹介しています。
まとめ|就労移行支援選びは自己分析と見学で8割決まる

就労移行支援を選ぶのにあたって、絶対の正解はありません。
通所型の方が訓練になる方もいれば、在宅訓練のほうが安定して続けられる方もいます。
特化型でスキルアップに繋げられる方もいます。
繰り返しになりますが、いちばん大切なことは、どこが就職実績が高いかなどの数字ではなく、今の自分に合うのはかどこなのかです。

いまの自分に合うところを、焦らず選んでいきましょう!
最後にもう一度、今回ご紹介した就労移行支援事業所を掲載しておきます。
| タイプ | 向いている方 | 公式サイト | まゆみの解説記事 |
|---|---|---|---|
| IT・Web 特化型 | IT・Webなどの スキル習得に特化し、 一般企業のIT専門職・ クリエイティブ職を狙いたい | Neuro Dive(解説) ジョブトレIT・Web(解説) | |
| 在宅利用 対応型 | e-ラーニングを中心に 自発的にPCスキルや 事務系の実務を学び、 大手企業や特例子会社の 事務職を狙いたい | manaby(解説) キズキビジネスカレッジ(解説) | |
| 就労リズム 重視型 | 体調とメンタルを整え、 企業実習などで実践を 重ね、働き続けるための 「継続力」を身につけたい | ミラトレ(解説) atGPジョブトレ(解説) |
地域ごとにおすすめの就労移行支援をまとめた記事も書いています
ここまで3タイプの選び方を紹介してきましたが、実際に事業所を絞り込む段階になったら、次は「通いやすさ」も重要な判断基準になります。
お住まいの地域や近郊にどんな事業所があるか、以下の記事で詳しくまとめています。





