私が前職の特例子会社を辞めることになったとき、正直なところ、
今後どうやって働いていくか
という展望は、まだ何ひとつ持っていませんでした。
メンタル疾患以外にも大きな病気が見つかったばかりで、大変な治療も控えている。
今までと同じような正社員の働き方をするのは、ちょっと難しそうだ。
かといって、このまま何もしないでいるのも不安だ…。
そんななかで私が考えたのが、

いきなり方向性をひとつに絞るのではなく、気になっている働き方を同時に試してみることでした。
体調と相談しながら、無理のない範囲で少しずつ経験を重ねていく日々が始まりました。

ふたつの働き方を試行錯誤するようになり3ヶ月が経過した頃、私は想定外のアクシデントに見舞われることになります。
原因不明の病に倒れ、結果的に4ヶ月の入院治療をする羽目になってしまったのです。
その結果、
それぞれせっかく覚え始めていた仕事も、そこで一旦手放すことになってしまいました。
人生って本当に、思い通り進まないんだなあ…
せっかく仕事を覚えて環境に慣れたのに、また振り出しに戻るのか…
ということを、思い知った時期でもありました。
今回の記事では、会社員を辞めていまの働き方に辿り着くまでの、大きな転換期についてお届けしていきます。

前の仕事を辞めてだいぶ経つんだけど、この先どう動いていいかわからない…
自分に合う働き方をどうやって見つけたらいいのか迷っている…

そんな方にとって、ひとつの実例として参考になればうれしいです。
\この記事を書いているのはこんな人/
休職中と退職後|2年連続で大病に見舞われることに

特例子会社を退職したあとの私は、すぐに新しい働き方に移行したわけではありませんでした。
というのも、休職中に見つかった病気とは別の箇所にも、重篤な病気が見つかってしまったからです。
結果として私は、2年連続で手術入院をし、長期の治療を受けることになってしまったのです。
詳しい病名は伏せますが、後から見つかったほうの病気は、数年前に亡くなった母とまったく同じもので、同じ進行状況でした。
当時の数字で5年生存率は、約40%でした。
検査結果を聞いたときは、
「さすがにもう、今回の病気は厳しいかもしれない」
そう思いました。
楽観視できない現状に直面しながら、長期の治療に取り組んでいったのを今でも覚えています。
そんな状態だったため、当時の私は「この先どんな仕事をするか」と考える余裕など、ほとんどなかったのです。

まずは治療を完遂して生き延びること。
それが最優先で、働き方について悩むのはずっと先の話だったのです。
治療後半|少しずつ回復し働き方を模索し始める

身体への負担が大きい投薬治療がひと段落したころ、「そろそろ少しずつなら社会復帰できるかも…」 と思えるようになった私がいました。
当時はすでに、前の会社を辞めてから3年が経過していました。
そのときも、「フルタイムの正社員を選ぶ」という考えはありませんでした。
度重なる大病を経験し、気力も体力も以前の自分に戻ったわけではなかったからです。
そこで当時の私が選んだのが、異なる2つの働き方を試してみることだったのです。
通勤×週3日のパート勤務|IT企業の経理事務

ひとつ目の働き方が、週3日・1日6時間の通勤型パート勤務でした。
仕事内容は小さなIT企業の経理事務で、私のそれまでの職歴やスキルを活かせるものでした。
職場には、私と社長の二人しかいない環境でした。
最初のほうこそ、どんな人と一緒に働くことになるのかが分からず、少し不安を覚えていました。
しかし、業務時間の多くを共にする社長は、特に難しい性格の人ではありませんでした。
むしろ、大勢の人がいる環境では疲れやすい気質の私には、ピッタリの職場だったと思います。
また、勤務日数を週3日に抑えたことで、通勤による体力の負担もなんとかコントロールできていました。

この感じだったら続けられそうかも…。
そう前向きに捉えられていました。
在宅×週3日の業務委託|はじめてのオンライン事務

同じ頃わたしは、在宅で業務委託の仕事も受けるようになりました。
この求人はおもに、子供を抱えて外に働きに出られない女性をターゲットにした媒体で見つけたものでした。
私には子供はいませんが、応募するときには特に条件を求められることはありませんでした。
そちらで受注した仕事は、経理業務をはじめ、パソコンを使った事務仕事全般でした。
たくさんの仕事が細切れになった状態で用意され、手を挙げた者が担当するという方式が取られていました。
これが、私にとって初めて請ける事務フリーランスの仕事でした。
業務委託なので、請け負った仕事を納品し、問題なく受領してもらえた段階で報酬が確定になる仕組みです。
これは、同じ仕事であっても人によって、納品までにかかる時間が異なることを意味します。

私のケースでも、最初は1,000円の仕事を納品するのに一日がかりになることもありました…。
通勤と在宅の働き方を掛け持ちした理由は

当時の私が同時期に、通勤型パートと在宅ワークを掛け持ちしたのは、収入面の理由だけではありません。
通勤のある働き方と完全在宅の働き方─── この両方を経験したうえで、どちらがいまの自分に合うかを見てみたかったのです。
何度か身体を壊して転職したり、大きな病気を経験したりするなかで、これからの自分は何を大事にして生きていくのかを、きちんと考えたかったのだと思います。
そのためには一旦、枠に囚われないやり方で試してみる必要があったのです。

頭で考えるよりやってみるほうが早い。
そんな気持ちもありました。
働き方を絞りきる前に、もう一度立ち止まることになった

通勤型パートと業務委託の在宅ワーク。どちらにも少しずつ慣れてきた頃、思いがけないことが起こります。
長期間続いていた治療の影響なのか、なかなか高熱が治まらなくなってしまったのです。
私は急遽入院することになり、結果的に熱が下がり退院できるようになるまで、4ヶ月も掛かってしまいました。
この長期入院がきっかけで私は、通勤型のパート勤務を退職することになってしまいました。
私一人しか事務員がいない会社なのに、急にいなくなってしまうなんて、多大な迷惑を掛けることになってしまった。
───外に出て働くのは、私にはまだ早かったのかな…
そう受け止めるしかありませんでした。
一方で、在宅での業務委託の仕事は、体調や期日と相談しながらも、なんとか続けることができていました。

結果的にここで私は、出社を前提としない働き方へ、完全にシフトすることになったのです。
いま選んでいる働き方について

その後の私は今日まで、大きな病気や症状は出ていません。
でも、もう大丈夫そうだから、元の働き方に戻そうとは、思っていません。
いま体調が安定しているのは、自分にとって今の働き方が無理がなく合っているからかもしれない
そう感じているからです。

したがって、現時点では在宅での働き方から変える予定はありません。
わたしは現在、在宅での働き方を選び、フリーランスとして仕事をしています。
障害のある方がフリーランスを選ぶ場合の注意点や主な職業などについては、こちらの記事でも詳しくまとめています。

▶ 障害者がフリーランスで働くのは現実的?メリットや注意点を解説
💡振り返り|「働けるか」ではなくどうやったら続けられるか
大病を経験する前の私はずっと、働き方について「いま働けるか・働けないか」「正社員か・非正規か」というような、はっきりとした二択でしか捉えられていませんでした。
しかし実際には、働き方には色々なグラデーションがあるのだと思います。
今日までの私が通ってきたルートを振り返ると、このようなグラデーションになっていました。
- 父の会社で正社員
- 派遣から正社員
- 特例子会社で正社員
- 週3日の通勤パート
- 在宅での業務委託
- 両方を掛け持ち
- 完全在宅フリーランス
体調や生活環境が変わるたびに、選ぶ働き方も自然と変わっているのが分かります。
上手くいかなかった経験も無駄ではないと捉えた

今までの経緯だけを見ると、
通勤のパート勤務は3ヶ月しか続けられなかった
病気の影響で途中で急に辞めることになってしまった
やっぱり私はダメだった
そう感じてしまいそうになります。
しかし、この時の経験があったからこそ、
こういったことを、経験を通して理解することができたと思っています。

頭で考えていただけでは、ここまで具体的には分からなかったと思います。
「今はこれでいい」と言える働き方を選ぶのもアリ

今の私は、在宅での働き方を選んでいます。
それは妥協でも逃げでもなく、これまでの経験を踏まえたうえでの選択です。
もしかしたら、また環境や体調が変われば、別の働き方を選ぶ日が来るかもしれません。
少なくとも今は、
「これらを優先してもいいんだ」と、自分に許可を出せるようになりました。
同じように立ち止まっている方へ

病気や怪我などで障害を持つようになると、以前の自分と比べて働き方の選択肢が狭まってしまったように感じると思います。
輝かしいキャリアを積んできた人ほど、栄光を捨てることに対して強い悲しみや苛立ちを感じるかもしれません。
しかし、傷を治して立ち上がれるようになるまでには、相応の時間が掛かるものです。
したがって、今後のキャリアについては、いますぐに決める必要はないと思います。
ひとつだけ言えることは、
気になる道があったら試してみるべきで、合わなかったら別の道に進めば良い
ということです。
自分はもう若くなくて、選択肢は何も残っていないように見えるかもしれません。
でも実は、そこから本当の人生が待っているのかもしれません。

今回の体験談が、「今は動けない」「まだ選べない」と感じている誰かにとって、少しでも視野を広げる材料になれば嬉しいです。
ここまで読んでくださった方の中には、「自分も同じように在宅やフリーランスという働き方を目指せるだろうか」と感じている方もいるかもしれません。
そんな方に向けて、フリーランスとして働くための具体的な準備ステップと、精神障害があっても在宅勤務を目指す5つのルートを整理した記事も書いています。
あなたに合う働き方を見つけるヒントになれば嬉しいです。

▶ 障害者がフリーランスで働くには?準備ステップと仕事例を当事者が解説します

▶ 精神障害があっても在宅勤務はできる?5つの働き方と自分に合う選び方
