障害を持つ方が「働き方」について調べていくと、
障害者雇用枠・一般就労・在宅勤務・フリーランス…
と、さまざまな選択肢があることが分かってきます。
ただ、頭では分かっても、

自分はいま、どの段階にいるの…?
何から動けばいいの…?

ひとりで判断して進めて大丈夫かな…?
と、不安になる方も少なくないと思います。
こちらのカテゴリでは、
障害のある方が働き方を考えるとき、相談できる場所や使えるサービスについて、状況別に整理して紹介しています。
ここに載せているサービスは、必ず利用すべきもの/ひとつしか使えないもの ではありません。
そんなふうに、選択肢を知り、視野を広げて頂くための場所としてまとめています。

今の自分に近い状況のところから、必要そうなものだけ拾って読んでもらえたら嬉しいです。
就労支援サービスという選択肢
精神障害を持っており、現在働いていない方のなかには、

まだ、転職活動を始められる段階じゃない…

体調を崩して仕事を辞めてから、調子が戻っていない…
というケースも少なくありません。
- 体調がまだ安定していない
- 働くイメージが湧かない
- いまの自分に何ができるのか分からない
- 一度つまずいた経験があるため不安が強い

そんな状態のときには、就労支援サービスという選択肢が役に立つことがあります。
就労支援サービスの役割は?
就労支援サービスは、「いますぐに就職・転職活動したい方向けの場所」というよりも、
- 現状を把握し、今後の方向性について整理したい
- 安定して働ける状態になるよう準備をしたい
- 自分に合う環境やペースを探っていきたい
といった、社会に出る前のクッションの役割がメインとなる支援です。
また、就労支援サービスは幾つかの種類に分かれており、そのなかには、
- 就職・転職活動のサポート
- スキルアップや実務に近い訓練
- 働き始めたあとの定着支援
まで一貫して行っているところもあります。

次の項では、就労支援サービスにはどんな種類があり、どんな方に向いているかを、できるだけ客観的に整理して紹介していきます。
就労支援サービスにはさまざまなタイプがある

一口に「就労支援サービス」と言っても、実際にはいくつかの種類があり、目的や前提としている利用者の状態がそれぞれ異なります。
代表的なものとして、次の3種類があります。
① 就労移行支援
一般就労(企業への就職)を目指す方を対象とした支援です。
原則として利用期間は最長2年で、
・生活リズムを整える
・働くための準備や訓練を行う
・就職活動のサポート
・就職後の定着支援
といったように、「働き始める前〜働き始めた後」までを一貫して支援する役割があります。
② 就労継続支援A型
事業所と雇用契約を結び、給料を受け取りながら働く形の支援です。
一般就労と比べると業務内容や働き方に配慮がある一方で、ある程度安定して通所・作業ができる状態が前提になります。
③ 就労継続支援B型
雇用契約は結ばず、体調や生活の立て直しを優先しながら利用する支援です。
「すぐに働く」ことよりも、
・日中の居場所づくり
・社会との関わりを取り戻す
・無理のないペースで活動する
といった目的で利用されるケースも多くあります。
このように、就労支援サービスはどの段階の方を想定しているかによって、役割が大きく異なります。

なお、このブログでは、一般就労を目指す方に向けた「① 就労移行支援」を中心に取り上げていきます。
「今の自分に就労移行支援が必要か」「どんなタイプの事業所が合いそうか」を整理したい方は、こちらの記事で詳しくまとめています。
▶ 就労移行支援事業所サービスの種類と向き・不向きを詳しく見る
いくつかの就労支援事業所を見学して分かったこと
私は失業手当を受給しはじめてすぐの頃、いくつか就労支援事業所の見学に行った経験があります。
就労支援サービスの中には、スキル訓練よりも「まずは通える居場所をつくること」を重視している事業所もありました。
体調がかなり不安定で、働ける状態になるまで時間がかかる方にとっては、そうした場所が必要なのも事実です。
💡就労支援サービスと一口に言っても、
・通所の目的
・支援の内容や手厚さ
・想定している利用者の状態
は事業所ごとに大きく異なります。

だからこそ、就労支援サービスは「良し悪し」ではなく、今の自分の状態に合うかどうかで選ぶことが大切だと感じました。
障害者向け転職支援サービスという選択肢

障害者向け転職支援サービスは、就職・転職を前提に、企業と求職者をつなぐサービスです。
ハローワークと同じ「就職・転職支援」が目的ではありますが、転職支援サービスの場合は、
- 専任の担当者(キャリアアドバイザー)がつく
- 求人票だけでは分からない情報を共有してもらえる
- 応募〜面接〜内定まで、担当者が伴走してくれる
といった点が特徴になります。
就労支援サービスとの大きな違い
就労支援サービスが働く前の準備や状態の整理に重きを置くのに対し、転職支援サービスは「働ける状態の方がこれからの職場を探す」フェーズ向きの選択肢です。
そのため、
- すでにある程度体調が安定している
- 働く時間・日数など、条件のイメージができている
- 雇用形態(障害者雇用・一般雇用など)を決め始めている
といった人ほど、活用しやすい傾向があります。
紹介される求人の特徴
障害者向け転職支援サービスで扱われる求人は、
- 障害者雇用枠(オープン)が中心
- 一部、一般就労(クローズ)を扱うケースもある
- 企業規模は中小〜大企業までさまざま
という特徴があります。
また、サービスによっては、
- 応募者の経歴や要望をもとに、書類選考を通過しやすい条件の求人
- 障害特性への理解をある程度持っている企業の求人
を優先的に紹介してもらえることもあります。
注意しておきたいポイント
一方で、転職支援サービスは万能ではありません。

今はまだ、社会復帰する自信がない…
体調の波が大きくて、転職時期を決められない…
といった場合は、紹介がうまく進まなかったり、焦りを感じてしまうこともあります。

また、担当者との相性や、利用サービスごとの得意分野(業種や障害の種類など)によって、利用者の満足度に差が出やすい点も理解しておく必要があります。
転職支援サービスは「登録して使い分ける」でOK
障害者向けの転職支援サービスは、ひとつに絞って使わなければいけないものではありません。
実際には、
というスタンスで利用している人も多いです。
転職支援サービスごとに、
- 扱っている求人の傾向
- 担当者の関わり方
- 障害や体調への理解度
には、どうしても差があります。
そのため、「どこのサービスが自分に合うか」は、実際に話してみないと分からない部分も大きいです。
また、登録したからといって、
- すぐに応募しなければならない
- 転職を決断しなければならない
というわけではありません。
今の自分の状態を伝えたうえで、
といった使い方でも十分です。
大切なのは、サービスに振り回されるのではなく、自分のペースで「使う・使わない」を選ぶこと。

転職支援サービスは、「転職を決めるための場所」ではなく、選択肢を知るためのツールの一つと考えておくくらいが、ちょうどいい距離感だと思います。
障害者向け転職サービスにはさまざまな種類があり、取り扱っている業種・職種や、想定している障害の種別にも違いがあります。
どれが自分に合うかは状況によって変わるため、特徴を整理して把握しておくことが大切です。
▶ 【公開前】障害者向け転職サービスの種類と向き・不向きを詳しく見る
まとめ
障害者の転職・就職を考えるとき、
「どこに相談すればいいのか分からない」
「何から動けばいいのか決められない」
と感じる方は少なくありません。
就労支援サービスと障害者向け転職支援サービスは、どちらも「障害のある方が働くための支援」という点では共通していますが、役割や向いている状態は大きく異なります。

まだ、体調や生活リズムが安定していない…
働くイメージを作るところから始めたい。
という場合には、就労支援サービスが力になることがあります。
▶ 就労支援サービスを利用するか迷っている方へ
一方で、

症状が落ち着いて、ある程度働ける状態にある…!
そろそろ具体的な求人を見ながら転職を考えたい…
という場合には、転職支援サービスのほうが合うケースもあります。
▶ 【公開前】障害者転職サービスの特徴と使い分けを解説
大切なのは、「今の自分に合う選択肢はどれか」を基準に考えることで、どれが正解かを最初から決める必要はありません。

実際には、複数のサービスに登録したり、見学や面談を通して判断したりしながら、自分にとって無理のない道を探していく人も多くいます。
焦らず、比べながら、使い分ける。
それも立派な選択のひとつです。

