障害者がフリーランスで働くのって、現実的なのでしょうか?

結論から言うと、
障害者がフリーランスとして働くことは可能です。実際に、自宅で開業したり、業務委託として外部から仕事を請ける形など、柔軟な働き方を選ぶ人も増えています。私もそのうちの一人です。
ただし、会社員と違って収入が安定しないなどの注意点もあります。

今回の記事では、障害者がフリーランスとして働く場合のメリットやデメリット、そして当事者である私の経験も含めて、どんな働き方や職種があるのかを解説していきます。
今回記事の中で、在宅フリーランスの仕事としてご紹介する職種は、以下のラインナップになっています。
- Webライティング
- Webデザイン
- 動画編集
- プログラミング
- データ入力などバックオフィス系全般
\私の今までの経緯についても描いています/

障害者がフリーランスとして働くメリットは?

障害を持つ方にとって、フリーランスという働き方にはいくつかのメリットがあります。特に体調や生活リズムに合わせて働ける点は、会社員の働き方にデメリットを感じる方にとって大きな魅力です。
ここでは、実際に自宅でフリーランスとして働いている私の視点から、主なメリットを紹介していきます。
体調や通院頻度に合わせて働ける

フリーランスの大きなメリットひとつ目は、体調に合わせて働き方を調整できることです。
会社員の場合、毎日決まった時間に出勤・稼働するケースが多いです。
病気や障害などで体調に波がある方にとっては、毎日決まった時間での稼働は、負担になることがあります。また、頻繁な通院が必要なケースでは、有給を都度申請することなどが、心理的な負担になったりもします。
その点、フリーランスであれば稼働時間を自分で調整できます。体調が良い時間帯や、通院が終わった後にまとめて仕事を進めるなど、自分の意思で調整しながら働くことができます。
そのため、体調や通院に合わせたスケジューリングをしながら働きたい方にとっては、フリーランスの柔軟さは大きなメリットになると言えるでしょう。

私自身も、多いときには月3回程度の検査通院があるため、時間の自由が効く働き方で良かったと実感しています。
在宅でできる仕事もたくさんある

フリーランスの大きなメリットふたつ目は、在宅でできる仕事があることです。
最近は在宅でできる仕事が増えており、在宅でフリーランスとして働く人も少しずつ増えています。在宅ワーカーの多くは、「パソコンとインターネット環境があればできるもの」を仕事としているケースが多いです。
会社員として働く場合、毎日の通勤や職場環境が負担になることもあります。特に障害や体調面に不安がある場合、朝の通勤だけで大きなエネルギーを使ってしまうことがあります。
その点、在宅でできる仕事であれば、通勤の負担がなく、自分の体調や生活リズムに合わせて働きやすくなります。また、静かな部屋で仕事が進められるなど、自分に合った作業環境を整えやすいのも特徴です。

このように、在宅で働ける可能性があることも、フリーランスという働き方の大きな魅力のひとつだと感じています。
人間関係のストレスを抑えられる

フリーランスの大きなメリット3つ目は、職場の人間関係によるストレスを抑えられることです。
会社員として働く場合、毎日同じメンバーと仕事を進めるケースが多いです。
しかし、障害を持つ方のなかには、濃密な人間関係を築くことに、大きなストレスを感じてしまうケースがあります。もちろん、人間関係が円満な職場もありますが、障害を抱えた状態においては、人との関わりに負担を感じる面があるのも事実です。
一方でフリーランスの場合、とくに在宅でできる仕事においては、個人単位で仕事を進めるのが基本になります。そのため、人間関係に悩まされる場面は、かなり抑えられるのが特徴です。

必要なやり取りはオンラインで進めることも一般的で、仕事に集中するための環境を自分で整えやすいという特徴があります。
もちろん、クライアントとのコミュニケーションは必要になりますが、日々働く環境を自分で選びやすいという点は、フリーランスの働き方ならではのメリットと言えるでしょう。

私自身も、沢山の人に囲まれる働き方に疲れを感じてしまうので、在宅のほうが圧倒的に仕事が進めやすいと感じています。
障害者がフリーランスで働くデメリット

フリーランスという働き方にはメリットがある一方で、注意しておきたいデメリットもあります。
特に収入面や仕事の安定性に関しては、会社員での働き方とは大きく異なる部分です。

こちらの章では、障害のある方がフリーランスとして働く場合に、知っておきたい主な注意点についてご紹介していきます。
収入は会社員に比べ安定しにくい

ひとつ目として、フリーランスの働き方では収入が安定しにくいという点がデメリットとして挙げられます。
会社員の場合、毎日きちんと定時まで稼働すると、毎月決まった額の給与が支払われるのが一般的です。
一方でフリーランスの場合は、仕事の量や内容が変動することもあるため、毎月の収入が上下することが普通にあります。
仕事が多い月もあれば少ない月もあり、収入の波があることは前もって理解しておくことが大切です。
体調が悪いと収入が止まることも|保障も少ない

フリーランスの場合、体調を崩して仕事ができなくなると、収入の減少に直結しやすくなります。
会社員の場合、体調不良で休んだときには有給休暇や傷病手当金などの制度があります。また、退職した場合でも失業手当など、一定期間の生活を支える制度が用意されています。
一方で、フリーランスが長く仕事できない状態になると、基本的には自分の預貯金や資産を使って生活していくことになります。
そのため、体調に不安がある場合は、無理をしない働き方を意識したり、余裕を持ったスケジュールを組むなどすることが大切です。また、当面の生活費や将来のための貯蓄などについては、前もって計画的に考えておく必要があります。

私のケースでも、フリーランスの働き方に移行する前に、数年間は暮らせるぐらいの生活費を確保しておきました。私はけっこう慎重派なので…
仕事を自分で開拓・営業する必要がある

フリーランスとして働く場合、仕事を自分で探していく必要があるという点も特徴です。
会社員の場合は基本的に、会社から業務が与えられるようになっています。
一方でフリーランスの場合は、自分で案件を探したり営業をかけて、仕事を受注できるよう働きかけていく必要があります。
最初は、仕事を見つけたり安定させることに苦労することもありますが、少しずつ経験を積んでいくことで、安定して仕事を受けられるようになるケースもあります。
障害者でフリーランスに向いている方の特徴
フリーランスという働き方は、すべての人におすすめできる選択肢とは言えません。
しかし、病気や障害を持つ方で、働く時間や場所などの柔軟性を重視するケースにおいては、「会社員よりもフリーランスの方が働きやすい」と判断されることがあります。

こちらの章では、病気や障害を持つ方の働き方という観点から、フリーランスに向いている方の特徴について紹介していきます。
自分の体調や予定に合わせて働きたい方

フリーランスは、稼働する時間帯や作業量を自分で調整しやすいため、自分の体調や予定に合わせて仕事を進めたい方に向いている働き方です。
特に、病気や障害によって、毎日同じ時間に働くことが難しい場合では、体調が良いときを選んで稼働する方法もあります。
通院で日中の時間が潰れてしまうケースでは、その分の仕事を夕方に進めるなど、柔軟な働き方をすることも可能になります。
そのため、無理なく柔軟な形で仕事をしていきたいと考える方にとっては、フリーランスという選択肢が合うこともあります。
在宅中心で働きたい方

在宅中心の働き方を希望する方にとっても、フリーランスは選択肢のひとつになります。
フリーランスの仕事には、パソコンとインターネット環境があれば、自宅で完結できるものもたくさんあります。
そのため、通勤による体力的負荷を減らしたい方や、慣れた環境で落ち着いて仕事を進めたい方にとっては、理想的な働き方と言えるでしょう。
スキルを活かして仕事をしたい方

自分のスキルや経験を活かして仕事をしたいと考えている人にも、フリーランスは向いているケースがあります。
人事・経理・総務などのバックオフィスや、ライティング・デザイン・プログラミングなどのクリエイティブなど、個人が持っているスキルを活かして仕事を受注する働き方も多くあります。
経験や実績を積み重ねていくことで、少しずつ仕事の幅を広げていくことも可能です。
障害者がフリーランスでできる仕事の例【在宅中心】

フリーランスとして働く場合には、さまざまな仕事の選択肢があります。特にパソコンとインターネットを使う仕事は在宅でも取り組みやすく、体調や生活リズムに合わせて働きやすいものも多くあります。

ここでは、フリーランスとして比較的取り組みやすい仕事の例をいくつか紹介していきます。
① Webライティング

Webライティングとは、企業サイト・ニュースメディア・コラム・ブログ・メールマガジンなど、Webコンテンツに掲載する文章を執筆する仕事です。パソコンで文章を書くことが中心のため、在宅で取り組みやすい仕事の代表例とも言えます。
文章を書くことが好きな人や、情報を調べてまとめることが得意な人に向いています。特別な資格がなくても始めやすい仕事として知られています。
案件によっては初心者向けの仕事もあり、少しずつ経験を積みながらスキルを伸ばしていくことも可能です。

私もWebライティングによって、このブログを運営していると言えます。
② Webデザイン

Webデザインとは、WebサイトのLP・バナー広告・コンテンツ・資料などのデザインや制作を行う仕事です。IllustratorやPhotoshopなどのソフトを使用し、視覚的要素により情報を伝え、クリックや購買などのアクションを促すのが主な役割です。
クリエイティブな作業が好きな人や、デザインソフトを使った経験がある人に向いています。 Webデザインも、パソコンとインターネット環境があれば場所を問わず作業できるため、非常に在宅ワークがしやすい仕事です。
スキルが必要な分、実績が増えると比較的高単価の仕事につながることもあります。
③ 動画編集

動画編集とは、YouTube・SNS・企業PRなど、ターゲットに合わせた動画制作を行う仕事です。撮影した動画は、Adobe Premiere Proなどの専用ソフトを使用して加工するケースが多いです。不要部分のカット・つなぎ合わせ・テロップ入れ・BGM・効果音の挿入、色味調整などを行って、作品に仕上げるのが主な役割です。
最近は動画コンテンツの需要が増えていることもあり、フリーランスとして動画編集の仕事を受注している人もたくさんいます。
就労移行支援やスクールなどで、動画編集ソフトの使い方を学べるところもたくさんあります。スキルを身につけてから在宅ワークに挑戦するという選択肢も考えられるでしょう。
④ プログラミング

プログラミングとは、Webサイトやシステム、アプリなどを開発する仕事です。ITスキルを活かしたフリーランスの仕事として知られています。
専門的な知識を学ぶ必要はありますが、スキルを身につけることで継続的な案件につながることもあります。
在宅で仕事をするエンジニアも多く、フリーランスとして働く人が多い分野のひとつです。
⑤ データ入力などバックオフィス系全般

データ入力をはじめ、人事・経理・総務・秘書などのバックオフィス業務も、在宅で取り組める仕事のひとつです。
企業の事務作業をオンラインでサポートする形の仕事も増えており、パソコンを使った業務経験がある人にとっては取り組みやすい分野と言えるでしょう。
また、営業サポートやカスタマーサポートなど、顧客対応を含む業務を在宅で行う仕事もあります。
こうしたバックオフィス系の業務は、業務委託の求人サイトやクラウドソーシングサービスなどで募集されていることもあります。

私も、業務委託でオンライン事務の仕事を受注していた時期がありますよ!全国から色んな人が参加している様子がよく分かりました。
このように、フリーランスとして働く場合でもさまざまな仕事の選択肢があります。自分の体調やスキルに合った仕事を選ぶことが、無理なく続けるためのポイントになります。
私がフリーランスという働き方を選んだ理由(体験談)

ここまでに、障害のある方が在宅でフリーランスとして働くメリットや注意点、仕事の例などを紹介してきました。
ここからは少し視点を変えて、私自身の経験についてお話ししたいと思います。

私はうつ病とパニック障害があり、精神障害者手帳3級を取得しています。これまで10年以上、体調と向き合いながら働き方を模索してきました。
障害とは別の病気の経験が在宅ワークのきっかけに

私の場合はうつ病やパニック障害だけでなく、他にも大きな病気を経験しています。
そちらの病気では、大きな手術と長期間の通院治療が必要で、身体への負担も日常生活への影響も、かなり大きかったです。精神的ダメージ以外に、突然長期入院になるというアクシデントにも見舞われ、働き方について改めて考えざるをえなくなったのです。
これまで私は、普通に会社員として働いた時期や、特例子会社で障害者として働いた時期、通勤パートと在宅ワークを掛け持ちする時期など、さまざまな働き方を経験してきました。
いまの在宅での働き方にシフトした大きな理由は、新しい仕事を始めて業務を覚えた頃に突然、長期入院することになってしまったことが大きいです。
それがきっかけで、「人よりも既往歴が多い私は、もしかしたらまた同じような状況になるかもしれない」と、働き方について真剣に考えるようになったのです。
その後、いくつかの働き方を試すなかで、私の場合は完全在宅でできる仕事の方がメリットが大きいという考えに至りました。
現在はフリーランスとして在宅で仕事をしていますが、体調と向き合いながら無理のない働き方を続けています。私がこれまでどのような働き方を経験してきたのか、もう少し詳しい経緯については、こちらの記事でもまとめています。
▶ 退職後、在宅ワークを試しながらフリーランスの働き方に辿り着くまでの話
まとめ|障害があってもフリーランスは選択肢のひとつ

今回の記事では、障害がある方がフリーランスとして働くことについて、メリットや注意点、実際にできる仕事の例などを紹介してきました。
フリーランスは、働く時間や場所を比較的自由に調整できる働き方です。体調に波がある方や、通院や治療と両立しながら働きたい方にとっては、選択肢のひとつになるかもしれません。
一方で、収入が安定しにくいことや、自分で仕事を見つける必要があるなど、会社員とは違う難しさがあることも事実です。そのため、自分の体調や生活状況に合わせて、無理のない働き方を考えていくことが大切だと思います。
私自身もいくつかの働き方を試す中で、現在は在宅中心の働き方に落ち着いています。

すべての人にフリーランスの働き方が合うとは限りませんが、「こういう形もあるんだ」と知っておくだけでも、将来の選択肢は少し広がるかもしれません。
また、障害を持つ方の働き方には、フリーランス以外にもさまざまな選択肢があります。就労移行支援サービスを利用したスキルアップについてや、在宅で働くための幅広い選択肢についても、別の記事で紹介しています。よかったら参考にしてみてください。
▶ 就労移行支援事業所とは?役割・種類・向き不向きを経験ベースでわかりやすく整理



