
事業所まで通わずに、自宅から利用できる就労移行支援ってないのかな?

通所が難しいと、選択肢は限られちゃうのかな…?
そんな疑問を持っている方もいると思います。
実は就労移行支援には、在宅での訓練に対応している事業所もあります。ただし、制度の仕組みや利用条件は少し分かりにくく、情報も整理されていないのが現状です。
この記事では、在宅型就労移行支援の仕組みや利用できる方の条件、メリット・デメリット、向き不向きについてわかりやすく整理していきます。
「在宅」という選択肢が、自分に合っているのかどうか。判断するための材料として、参考にしてみてください。

私自身も在宅で働いている立場として、感じていることを交えながらお伝えします。
在宅型就労移行支援とは?

在宅型就労移行支援とは、事業所に通所するのではなく、自宅からオンライン等を活用して訓練や支援を受ける形を指します。
ここで確認しておきたいポイントは、在宅型も通所型と同じく、厚生労働省が法律で定めた制度である点です。
在宅就労につながる総合的な職業リハビリテーションを、福祉的支援も受けつつ全国で 享受できるようにするため、就労移行支援事業の在宅での利用が認められました。
在宅における 就労移行支援事業ハンドブック|厚生労働省ホームページ
就労移行支援は本来、通所を前提とした障害福祉サービスです。ただし、体調や地域事情などの理由による一定の条件のもとでは、在宅での訓練実施が認められる場合があります。

つまり在宅型は、就労移行支援という枠組みの中で行われる実施形態のひとつという位置づけです。
在宅型の就労移行支援には、以下のような事業所があります。本記事のまとめ部分でも簡単に特徴をご紹介していきます。
▶ 【manaby】
▶ 【キズキビジネスカレッジ】
通所型就労移行支援との違い

従来からある通所型では、事業所に通いながら、生活リズムの安定・ビジネスマナー訓練・模擬業務や軽作業・グループワークなどを行うのが一般的です。
一方、在宅型では、
といった形で支援が行われます。

支援内容そのものは大きく変わらない場合もありますが、「通所」という物理的負担がない点が最大の違いといえるでしょう。
在宅型就労移行支援が増えた背景

近年は、IT環境の整備や働き方の多様化により、在宅勤務という選択肢が広がっています。
それに伴い、就労移行支援の分野でも
- 外出が難しい方への配慮
- 感染症対策
- 地域に事業所が少ないケースへの対応
などを背景に、在宅での支援体制を整える事業所が増えてきました。
在宅型就労移行支援は誰が利用できる?

在宅型就労移行支援は、希望すれば誰でも必ず利用できるというものではありません。
就労移行支援は原則として、事業所への通所が基本とされています。在宅での利用は、一定の条件のもとで認められている形になります。

では、どのようなケースが想定されているのでしょうか?
体調や障害特性により通所が難しい場合

たとえば、
といった事情がある場合、在宅での訓練が検討されるケースがあります。
地域的な事情がある場合

こうした地域事情も、在宅実施が検討される理由になることがあります。
事業所の体制が整っている場合
在宅型の就労移行支援は、どの事業所でも必ず実施しているわけではありません。
といった点が関係します。

そのため、在宅型就労移行支援の利用は、「利用者の状況 × 事業所の体制 × 自治体の判断」この組み合わせで決まることが多いとされています。
最初は通所するケースも
在宅型就労支援を取り入れている事業所であっても、
など、柔軟な形がとられることもあります。
在宅か通所かの二択ではなく、段階的に調整されるケースもあるという点も知っておくと安心です。
まずは質問・相談してみることが重要

在宅型就労移行支援が自分に合いそうだと思ったら、まずは候補の事業所へ質問・相談してみることが大切です。

実際に話を聞いてみると、思っていたより柔軟に対応してもらえたり、逆に想像より条件が厳しかったということもあります。
在宅型就労移行支援のプログラム内容は?
在宅型就労移行支援では、通所型と同じく「就職に向けた準備」を行います。通所型との違いは、その実施方法がオンライン中心になる点です。

内容は事業所によって異なりますが、一般的には次のようなプログラムが行われています。
オンライン面談・個別支援

定期的にビデオ通話などを使って、
- 体調の確認
- 生活リズムのチェック
- 就職活動の進捗確認
- 不安や困りごとの相談
などを行います。対面ではない分、こまめなフォロー体制を整えている事業所もあります。
オンライン講座・eラーニング

パソコンを使って、
- ビジネスマナー
- コミュニケーション講座
- パソコンスキル(Word・Excelなど)
- IT・デザイン系の専門講座
といったカリキュラムを受講するケースがあります。動画教材やライブ配信形式など、形式はさまざまです。
在宅課題・模擬業務

自宅で取り組む課題として、
- データ入力
- 文書作成
- レポート提出
- ポートフォリオ制作
などが出されることもあります。提出後は、オンラインでフィードバックを受ける形が一般的です。
就職活動サポート

在宅型であっても、
- 履歴書・職務経歴書の添削
- 面接練習(オンライン対応含む)
- 求人紹介
- 企業との連絡調整
といった就職支援は行われます。

最近はオンライン面接が増えているため、在宅環境で面接練習ができるのはメリットになる場合もあります。
在宅型のメリット
在宅型就労移行支援の大きな特徴は、「通所しないこと」そのものにあります。
それがどういった影響を与えるのかは、人によって大きく異なります。

在宅で働いている私の立場から、メリットを含めて整理していきます。
移動のストレスがない/感覚過敏が守られる

在宅型就労移行支援の最大のメリットは、移動による負担がないことです。
移動時間がなくなるだけでなく、
といった外的ストレスを大きく減らすことができます。
私は精神疾患以外にも既往歴があり、通勤による移動や外部からの刺激で強い疲労を感じやすいタイプです。
往復の移動がないだけで体力がかなり温存でき、その分を仕事でのアウトプットに還元できていると感じています。
通勤で消耗してしまい、肝心の業務に力を使えない――
そう感じている方にとって、在宅という選択肢は大きな意味を持つ可能性があります。
自分のペースで進めやすい

在宅型は通所型に比べ、外的要因による影響を少なめに抑えられます。
就労移行支援にはスケジュールがありますが、移動や対面環境による緊張感がないぶん自分のリズムを作りやすい傾向があります。

私の場合も、在宅勤務に慣れるまではすぐに疲れを感じ、午前中しか稼働できない時期がありました。しかし徐々にペースを掴めるようになり、今ではある程度長時間の稼働も可能になっています。
体調の波がある方にとって、段階的に慣らしていけるという点は、在宅型の大きな強みといえるでしょう。
在宅型の注意点

一方で、在宅型には通所型とは異なる難しさもあります。向いている・向いていないが分かれやすい部分でもあります。
自己管理が超重要

在宅では、良くも悪くも自分次第です。

私の場合は過集中になりやすく、気をつけないと長時間稼働してしまいます。
その結果、後からどっと疲れが出ることもあります。
在宅環境では、
といった自己管理の工夫が欠かせません。
作業時間は自分で管理するケースが多いため、ある程度のセルフコントロール力が求められます。
対面と比べて質問がしづらい

どんな業務でも、覚え始めの時期はスムーズに進まないものです。
在宅での就業は、
という状況が生まれやすくなります。
分からないことはある程度自分で調べたり、ポイントを整理してから質問するスキルが必要になります。
人によっては、

放っておかれてる気がする…

なんか孤立しちゃってる…
と感じてしまうこともあるでしょう。

サポート体制の確認は、事前にしっかり行うことが大切です。
運動不足になりやすい

在宅型の就労は、意識しないとほとんど動かない日が続くこともあります。

私の場合は、毎朝ウォーキングに出るようにしています。適度な運動を心がけないと、運動不足から疲労が蓄積し、体調不良につながりやすいと感じているからです。
在宅型就労支援を選ぶ場合は、
- 軽い運動を取り入れる
- 外に出る時間を意識的に作る
といった工夫も重要になります。
在宅型が向いている方・向いていない方

在宅型就労移行支援は、すべての方にとって最適な選択肢というわけではありません。
大切なことは、どちらのほうが優れているかではなく、今の自分に合うかどうかです。
こちらの章では、在宅型就労移行支援に対する向き不向きの傾向を整理してみます。
在宅型が向いている方

- 通勤や外出が強い負担になっている
- 感覚過敏や体調の波があり、環境による刺激を減らしたい
- 自宅のほうが集中しやすい
- ある程度の自己管理ができる
- 将来的に在宅勤務を目指している
特に、「通うこと」そのものがハードルになっている場合、在宅という選択肢があることで安定した就労につながりやすくなる可能性があります。

また、すでに在宅環境での作業に慣れている方や、静かな環境で集中できるタイプの方にとっては、力を発揮しやすい形といえるでしょう。
在宅型が向いていない可能性がある方

- 一人だと生活リズムが崩れやすい
- 対面でのコミュニケーションのほうが安心できる
- 自宅だと気が散りやすい
- すぐに相談できる環境がないと不安が強い
- 外に出ることで気分転換になるタイプ
在宅は自由度が高い分、環境を自分で整える必要があります。人によっては、通所という「強制力」があったほうが安定することもあります。
迷っているなら通所と在宅両方の見学がおすすめ

在宅か通所かで迷っている場合は、片方に決め打ちするのではなく両方の事業所を見学・相談してみるのがおすすめです。
実際に話を聞いて足を運んでみると、
など、新しい選択肢が見えてくることもあります。

在宅型の就労移行支援について検討することは、自分の特性や体調に合う働き方を模索する一つの手段です。
今の自分の状態を基準に、無理のない形を選ぶことが大切です。
まとめ|在宅型就労支援は必要な方向けの選択肢
在宅型就労移行支援は特別な制度ではなく、ひとつの実施形態です。通所が難しい方や環境刺激による負担が大きい方にとっては、就労につながるための大切な選択肢になり得ます。
一方で、自己管理や孤立感といった課題もあり、すべての方にとって最適とは限りません。
大切なのは、在宅か通所かではなく「今の自分にとって無理のない形かどうか」という視点です。

もし在宅型が気になっているなら、まずは事業所に相談し、実際の支援内容やサポート体制を確認してみることをおすすめします。
働き方はひとつではありません。自分の特性や体調に合った方法を選ぶことが、結果的に長く働くための近道になることもあります。
在宅型に対応している事業所を具体的に見てみる
在宅型就労移行支援に対応しているかどうかは、事業所ごとに体制や方針が異なります。
気になる場合は、実際のカリキュラムや就職実績を確認してみるのもひとつの方法です。
たとえば、在宅訓練に対応している事業所としては次のようなところがあります。
※対応状況や実績は、時期や地域によって変わる場合があります。詳細は公式サイトでご確認ください。
manaby
在宅訓練対応型でありながら、東北から九州まで全国30拠点以上を展開。
在宅型でも月1回以上の通所が必要なケースが多いなか、拠点数が多いのは安心材料のひとつです。
独自開発のeラーニングを活用し、Webデザイン/Web制作/プログラミング/事務系スキルなど、IT分野を中心にスキル習得が可能。
就職先の約7割が特例子会社や障害者雇用枠である点も特徴です。
在宅×ITスキルで働き方を模索したい方に向いているタイプといえるでしょう。
▶ 在宅×ITスキルで自分らしく働く【就労移行支援manaby】
キズキビジネスカレッジ
関東・関西エリアを中心に10拠点以上を展開。
一般就労(クローズ)での採用割合が比較的高く、例として「一般就労58%/障害者雇用42%」という実績があります。就職先の半数以上が大企業やそのグループ会社である点も特徴。
プログラムは一律型ではなく、個別の目標に合わせて必要な内容を最短で学ぶスタイルを取っています。
将来的に一般就労も視野に入れている方にとっては、選択肢のひとつになるでしょう。
キズキビジネスカレッジは、公式サイト以外にYoutubeなどでも情報発信しています。個人的に色々な媒体を見て感じた印象などを、別の記事でまとめています。
▶ キズキビジネスカレッジの評判は?在宅対応型就労移行支援の特徴と向いている人を解説



