
今までずっと、毎日出社する働き方だったけど、病気や障害を持つようになって、これまでのような働き方が難しくなってしまった…
そんなとき、
家で仕事ができるなら、体力や精神面の消耗を抑えられるのに…
そう考える方も多いと思います。実際に在宅勤務という働き方を選ぶことが、病気や障害と共存しながらのキャリア継続に、有効な手段となるケースもあります。
今回の記事では、病気や障害を持つ方が「在宅ワーク」を考えるときによくある疑問の、
といったポイントについて、全体像をご紹介していきたいと思います。

そんな私は現在、在宅で仕事をしていますよ!
\自宅のデスク周りです/

\この記事を書いているのはこんな人/
障害者雇用の在宅ワーク求人|実情はどんな感じ?

障害者手帳を持つようになると、まず最初に頭に浮かぶのは、障害者雇用・障害者枠での在宅勤務求人だと思います。

こちらの章では、障害者雇用の在宅求人は現状どのようなケースが多いのかについてご紹介していきたいと思います。
障害者雇用で働く方のうち在宅勤務割合は34.8%程度

最初に気になるのは、障害者として働く方のうち在宅勤務の割合がどのくらいなのか、という点だと思います。
障害者雇用で働く方のうち、在宅勤務をしている方の割合は34.8%程度という調査結果があります。
参考情報として、障害者向け求人情報サイト「dodaチャレンジ」の運営元パーソルダイバース株式会社が2025年7月に公開した情報を共有します。
参照元▶ はたらく障害者の就業実態・意識調査 2025|パーソルダイバース株式会社HP
上記ページにある「6.雇用枠別の就業実態|就業場所」によると、アンケートに回答した障害者のうち、障害者雇用で採用され在宅勤務をしている方の割合は34.8%という数字がでています。
このうち、完全在宅で働いている割合が14.0%・在宅と出社のハイブリッド型が20.8%となっています。
一方、通常の一般雇用における在宅勤務割合は18.7%で、このうち完全在宅が7.4%・在宅と出社のハイブリッド型が11.3%となっています。
割合だけを見ると、障害者雇用では在宅勤務の割合は比較的高い傾向があります。ただし、全労働者数で考えると一般就労で働く方のほうが多いことから、単純に求人件数での比較はできません。

ここで言えることは、障害者雇用と一般就労どちらの求人にも応募できるような状態であるほど、在宅勤務求人に採用される可能性は上がるということです。
障害者雇用の在宅勤務|職種の内訳は事務系・IT系が多い

次に気になるのは、障害者雇用で働いている方はどんな職種が多いのかということだと思います。
現在の障害者雇用で在宅勤務が可能な求人は、主に事務系・IT系の職種が中心になっています。
具体的には、データ入力や営業事務などの事務職、プログラミングやWeb制作などのIT職種などです。
在宅勤務ではパソコンを使った業務が中心となるため、やはりこういった職種に求人が集中しやすい傾向があります。

私がさまざまな求人媒体を見る限りでも、在宅勤務の求人は事務系かIT系に集中している印象があります。
実務のスキルや経験が求められるケースも多い

障害者雇用で在宅勤務OKの求人では、一定以上のスキルが求められるケースが多いです。
スキルというのは、在宅勤務をするにあたって必要な、PCのスキル・メールやチャットツールでのやりとり・不明点を自分で調べて解決する力などです。
言い換えると、遠隔地での単独業務でも自走できるような即戦力のことを指します。
それ以外のポイントとしては、応募する求人にあると望ましい資格や実務経験・折衝能力など、人よりも優れているとアピールできるスキルがあると、採用に有利になりやすいといえます。

このような強みが全くない状態だと、応募時に自己アピールできる内容が薄くなってしまい、なかなか採用に至るのが難しくなります…。
自己管理が求められるのは一般就労と同じ

在宅勤務という働き方の大きなメリットには、通勤の負担を軽減できるという面があります。
その一方で、注意点に挙げられるのは、一般就労の在宅勤務と同じで自己管理の大変さです。
障害者雇用での採用の場合、勤務先によってはチャットツールなどでの定期的な面談や声かけが行われたりもします。
とはいえ、物理的な距離があるのには変わりがないため、対面時と同じような感覚での声がけ・フォロー体制を求めるのは難しくなります。
そのため、出社時に感じた負担とは別の部分で、対応の難しさを感じる方もいます。

具体的に言うと、「放置されてる?」「なんか孤独だな…」みたいな感覚です。
ここまでにお伝えした、障害者が在宅ワークを目指すうえで知っておきたい現実や準備しておきたいことについては、別の記事でも詳しくフォーカスしています。

障害者雇用の在宅ワーク求人の探し方

こちらの章では、障害者が在宅ワークを探すときに最初の選択肢になりやすい「障害者雇用求人」について解説していきます。
障害を持つ方が、現在すぐに求人へ応募できる状態かどうかによって、選択肢は以下の2つがあると言えます。
- 障害者向け転職サイト・エージェントを利用
- 就労移行支援などで訓練を積んでから在宅勤務求人に応募
障害者向け転職サイト・エージェントを利用する

障害者雇用求人が多く掲載されているのが、障害者向け転職サイトです。
利用対象者は、障害者手帳を持っている方・これから取得する予定の方です。
障害者向け転職サイトの基本的な利用スタイルは、大きく分けて2つあります。
| 求人情報 単独型 | 転職サイトに登録後、自分で求人を探し 自分で応募するスタイル。 |
| 求人情報・ 転職エージェント 一体型 | 転職サイト登録後に面談を受け、 アドバイザーのサポートも利用しながら 求人応募できる。 自分で直接求人に応募してもOK。 |

いますぐ応募するつもりでなくても、求人サイトは登録してOKです。転職活動は情報戦なので、早い段階から求人に目を通して慣れることをオススメします。
✏️登録後に「新しく資格を取得した」「使えるツールが増えた」など変更点が出てきたら、その都度プロフィールをアップデートしていきましょう(忘れがちだけど結構大事)!
障害者向け転職サイト・エージェント一体型サービスの例
こちらの項では、障害者向け転職サイトのなかでも、エージェント一体型サービスの大手2社についてご紹介していきます。

障害者向け転職サービスの中では、どちらも高いシェアを誇っていますよ!
atGP(アットジーピー)
atGP(アットジーピー)は、株式会社ゼネラルパートナーズが運営する、障害者向け就職・転職支援サービスで、障害者雇用の老舗・パイオニア的存在です。
ゼネラルパートナーズ社は様々な障害者向けサービスを展開しており、就労移行支援からハイクラス求人サイトの運営まで、幅広い事業で障害者の働き方をサポートしています。
▶アットジーピー【atGP】(障害者向け転職サイト・エージェント)を見てみる
dodaチャレンジ
dodaチャレンジは、パーソルダイバース株式会社が運営する、障害者向け就職・転職支援サービスです。パーソルグループは一般転職サイトの「doda」の運営でも知られるように、幅広い求人ネットワークを持つことが強みです。
dodaチャレンジの求人傾向としては、大手企業や外資系企業も多く扱っており、一般就労に近い環境でキャリアを築きたい方にはより向いていると言えます。
就労移行支援事業所で訓練を積んで求人に応募する

就労移行支援とは、病気や障害を抱えた方が社会復帰をする前に、一般企業での就職を目指して、必要な知識やスキルを習得するための機関です。
就労移行支援は福祉サービス(公的サービス)にあたり、前年度の所得に応じて利用料が決まる仕組みです。利用者の8割程度の方が実質無料で訓練を受けています。
就労移行支援の利用方法や所得別の利用料金・進路別の選び方については、別の記事で詳しく解説しています。

就労移行支援には、事業所まで通所するタイプと、自宅からPCを使ってプログラムを受けられるタイプがあります。就労移行支援事業所を通して、利用者に求人が紹介されるケースも多いです。
就労移行支援サービスを使った場合でも、その先の進路は障害者雇用と一般就労のどちらを選ぶこともできます。
また、就労移行支援事業所のなかには、専門性が高いプログラムを持つところもあり、希望する進路が明確に決まっている方にとっては、効率的な訓練を積める環境となっています。
就労移行支援事業所の例

就労移行支援サービスは全国に展開されていますが、なかでも最近人気が高まっているのが在宅での訓練に対応する事業所です。こちらでは例として、2つの事業所をご紹介します。
manaby(マナビー)
manaby(マナビー)は、株式会社manabyが運営する就労移行支援事業所です。事業所は全国に31箇所(2026年時点)あり、在宅訓練にも対応しているため、広い地域の方が利用しやすい環境です。
manabyは創業当初から在宅訓練を前提とした取組を続けており、訓練で使用するeラーニングシステムも独自開発しています。
在宅訓練型の就労移行支援を検討中の方には、候補に上がりやすい事業所です。
▶ 在宅×ITスキルで障害や体調にあわせた働き方を【就労移行支援manaby】
キズキビジネスカレッジ
キズキビジネスカレッジは、株式会社キズキが運営する就労移行支援事業所です。事業所は全国に12箇所(2026年時点)あり、在宅訓練にも対応しています。
プログラム内容が幅広く、一般的なPCスキルから会計・英語・Web系・プログラミング・動画制作まで、高い専門スキル習得に力を入れているのが特長です。
他の就労移行支援に比べ一般就労への就職実績が高く(約44%)、枠に囚われない働き方を視野に入れている人に適した事業所と言えます。
上記2件の事業所については、別の記事で比較をしながら詳しい解説をしています。在宅訓練型の就労移行支援が気になる方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。


つづいては、訓練期間中は基本的に通所であるものの、卒業に6割以上の方が在宅勤務を叶えている事業所をご紹介します。
Neuro Dive(ニューロダイブ)
Neuro Diveは、AIなどを活用したデータ分析や業務効率化など高度なITスキルを取得し就職を目指す、超特化型の就労移行支援事業所です。
即戦力となる人材育成プログラムを基本とし、就職後の定着率は96%を超えています。
卒業後の在宅勤務比率が6割を超えるのも大きなポイントです。
基本は通所型のみの対応で、事業所は関東から九州に掛け全国5箇所となっています。
毎週Web上で30分間の無料説明会が開催されており、その後は個別相談会も設けられています(30分)。

事業所に直接見学に赴く前に自宅からWeb説明会に参加でき、必要があれば個別相談にも応じてもらえますよ!
NeuroDiveについての単独レビュー記事も書いています。
先端ITやAIに深い興味があって、一般就労に負けない条件やリモートワークなど、多様な働き方を実現させたい方には、かなりオススメできる事業所です。

障害者雇用以外で在宅ワーク求人を探す場合は?
前章では、「障害者雇用」での在宅勤務求人の現状について解説してきました。
障害者が在宅で働きたいと考える場合、次に候補にあがるのが、障害者雇用「以外」での在宅勤務求人への応募だと思います。
具体的には、以下の形が想定されます。
- 一般向け転職サイト/転職エージェント
- フリーランス・業務委託として活動を始める
①②について、それぞれの特徴を解説していきます。
一般向け転職サイト・エージェントで在宅ワーク求人を探す
障害を持つ方が転職活動を進めるにあたり、自身の障害をオープンにせず(クローズで)仕事を探す場合、一般向け転職サイトやエージェントを利用できます。
利用方法については、障害者向け転職サイト・エージェントとほぼ同じです。

既に社会人経験を持つ方であれば、利用したことがある方も多いと思います。私も最初の転職時には、たくさんの転職サイトに登録をしました。
フリーランス・業務委託として在宅で仕事をする

フリーランスや業務委託はどちらも、「企業と雇用契約を結ばない働き方」になります。働き方には障害の有無は関係せず、本人のスキル次第で仕事と収入の幅が大きく変わる働き方です。
取り組み方次第では、自由度がいちばん高くなるのはこの働き方といえます。ただし、会社員のような安定した収入や保障はなく、収入に応じて自身で確定申告をする必要があります。

私は現在は、自宅でフリーランスとして活動をしています。やってみてはじめて、メリットデメリットの本当の意味が分かった気がします。
フリーランス・業務委託向け求人メディア例
フリーランスとして働く場合は、自分から営業を掛けて仕事を受注するケースと、専門サイトで案件に応募して仕事を獲得する形があります。
まだあまり実績がない場合は、専門サイトで案件に応募しながら実力をつけていくパターンが多くなります。

こちらでは、フリーランス初心者が仕事獲得に使うサイトの例をいくつかご紹介します。私も案件に応募して、事務の仕事を請けていた時期がありますよ!
Craudia(クラウディア)
クラウディアは、株式会社エムフロが運営する、クラウドソーシングサービスです。企業や個人が仕事を依頼し、フリーランスがオンラインで受注できるシステムになっています。
クラウドソーシングの特徴として、最初は単価の低い案件も多いですが、実績を積んでいくことで継続案件につながるケースもあります。
クラウディアの求人内容は、ライティング・データ入力・事務サポート・Web制作・デザイン・システム開発などがあり、PCを使って在宅で対応できる業務が多く掲載されています。
クラウドソーシングの利用時は、報酬から手数料が引かれる仕組みになっていますが、クラウディアは、業界最低水準の低い手数料であるのも大きな特長です。
▶ クラウドソーシング・在宅ワークなら【Craudia(クラウディア)】
mama works(ママワークス)
mama works(ママワークス)は、株式会社アイドマ・ホールディングスが運営する、主婦向けの国内最大級在宅ワーク求人サイトです。
名前から「子育て中ママ向け求人サイト」という印象ですが、実際にはママ限定求人ではありません。

私は子どもはいませんが、ママワークス経由でオンラインアシスタント業務を受注して働いていた時期があります。
ママワークスの求人は業務委託での募集が多いものの、直接雇用(正社員・アルバイト)の求人も含まれています。
在宅前提の募集が大半であるため、在宅での仕事を幅広く探したい女性にとっては、一般的な求人サイトより探しやすいケースもあります。
別の記事では、障害者がフリーランスを目指す場合の主な職種や、メリットデメリットについても解説しています。

私が在宅で働くようになった経緯はこんな感じです
\わたしのデスク周りです/

ここまでの章で、障害の有無に関わらず、在宅勤務求人に応募する際には、ある程度のスキルや経験が求められるケースが多いことがお分かりいただけたと思います。
ここでは参考として、実際に在宅ワークという働き方をしている私が、どのような経緯で今の働き方にたどり着いたのか、その流れを簡単にご紹介します。
私の場合、最初から在宅ワークをしていたわけではありません。
もともとは、一般企業で約10年ほど会社員として働いていました。
その後、うつ病やパニック障害を経験したことをきっかけに、障害者として特例子会社に転職しました。
特例子会社で働くようになって4年が経過したころ、私は両親の他界がきっかけでメンタルが悪化し、休職することになります。
休職中には私自身にも大きな病気が発覚し、手術入院をすることになってしまいます。いろいろ重なったことで休職期間中にメンタル回復が間に合わず、休職期間満了で退職することになります。

退職後は、いくつも病気を抱えた私は家で仕事できないのだろうか…と考え、試行錯誤しながら在宅ワークという働き方に辿り着くようになります。
このあたりの経緯については、別の記事で詳しくまとめています。

在宅ワークを目指すなら知っておきたいこと

ここまでの章で、障害者が在宅で働く場合の求人の実情や、主な探し方についてご紹介してきました。
在宅ワークは通勤の負担が少ないなどのメリットがある一方で、誰でもすぐにできる働き方というわけではないことが理解いただけたと思います。

こちらの章では、これから在宅ワークを目指したい方に向けて、知っておいて頂きたいポイントをまとめて整理しておきます。
在宅ワーク求人は「経験者」が有利になりやすい

多くの在宅ワーク求人では、ある程度の実務経験やスキルが求められるケースが少なくありません。
企業側としても、遠隔地での業務では細かい指導が難しいため、「採用時にある程度自走できる人材」を求める傾向があります。
そのため、まったくの未経験から在宅ワークを目指す場合は、まずはスキルを身につける期間が必要になることもあります。
スキルアップを積み重ねながら準備を始めることが大切

在宅ワークというと、プログラミングやWebデザインなどの専門スキルが必要というイメージを持つ方も多いかもしれません。
ただ、必ずしも最初から難しいスキルが求められるわけではありません。
例えば、
このような基本的なスキルを積み重ねていくだけでも、最初の仕事につながる可能性はあります。

私自身も、最初は自分のノートPCを買うところからはじめて、基礎的なスキル訓練から準備を始めていきました。
障害者が在宅ワークを目指すルートはひとつではない

病気や障害を持つ方にとって、在宅ワークを目指す方法は一つではありません。
今回の記事でもご紹介したとおり、
など、さまざまなルートがあります。
いちばん大切なことは、いまの自分の体調や状況に合った方法を選ぶことです。

私も40代半ばから在宅ワークを始めています。当然ながら若い頃よりも覚えは悪いですが、一応なんとかなっています(笑)。
まとめ|障害者が在宅ワークで働く道はあるけど準備は必要

障害者が在宅で働く道というものは、決して珍しいものではなくなってきています。
ただし、在宅ワークの求人はまだ数が限られていることも多く、スキルや経験が求められるケースも少なくありません。
そのため、
- 在宅求人の探し方を知る
どんな媒体があるのか
- 求人サイトを見て市場感を知る
どんな仕事があってどんなスキルが求められているのか
- 目指す仕事の方向性を決める
事務・Webライター・Webデザイナー・プログラマー・動画編集者など
- やりたい仕事に求められるスキルを身につけていく
独学・就労移行支援・通信教育・スクールなど
- チャレンジできそうな求人や案件を探して応募していく
職種によってはポートフォリオを準備
といった準備をしながら進めていくことが大切です。

在宅ワークを目指す道は一つではありません。焦らずに自分に合う形を探していくことが大切だと思います。一緒に頑張っていきましょう!
こちらの記事でも、障害者が在宅で働くための5つのルートについてフォーカスしています。

▶ 精神障害者が在宅で働く方法は?選べる5つのルートを整理します


このブログを運営する私も、精神障害者手帳3級を所持する当事者です。過去には障害者雇用で特例子会社勤務の経験があります。
▶ 特例子会社で正社員してたけど合わなかった話