私が退職を決めたとき、正直なところ「これからどうやって働いていこうか」という明確な答えは、まだ何ひとつ持っていませんでした。
体調の問題もあり、以前と同じようにフルタイムで働くのは難しい。かといって、何もしないままでいることにも不安がありました。
そんな中で私が選んだのは、
いきなり「この先はこの道で生きていこう!」と決めるのではなく、いくつかの働き方を実際に試してみることでした。
通勤のあるパートタイム。在宅での業務委託の仕事。体調と相談しながら、無理のない範囲で少しずつ経験を重ねていく日々。

仕事以外でも大きなアクシデントに見舞われ、人生とはなかなか思い通りには進まないものだというのを思い知った時期でもありました。
結果として今の働き方に落ち着くまでには、遠回りに見える選択や、途中で手放すことになった仕事もありました。
この記事では、退職後から現在の働き方に落ち着くまでに、私が実際に経験したことを、時系列でまとめています。

退職してだいぶ経つんだけど、この先どう動いていいかわからない…
自分に合う働き方をどうやって見つけたらいいのか迷っている…

そんな方にとって、ひとつの実例として参考になればうれしいです。
私が、20年強の会社員生活を辞めることになった経緯については、連載形式でお届けしています。
▶ 傷病休職のその後|治療と重なり退職は避けられなかった
退職後も続いた治療と、働くことを考えられなかった時間

会社を退職したあとの私は、すぐに新しい働き方に移行したわけではありませんでした。
というのも、休職中に発覚した病気とは別に、新たな病気が見つかり、再度の手術と治療が必要になったからです。
詳しい病名は伏せますが、どちらも命に関わる重篤な疾患でした。しかもその病気は、数年前に亡くなった母と、まったく同じ病気で同じ進行状況でした。
結果を聞いたときは、「今回はもう、さすがにダメかもしれない…」そんな覚悟をしながら、手術や治療に向かっていたのを覚えています。
その後は入院と手術、そして、長期にわたる投薬治療が始まりました。
結果的に私は、2年連続で大きな手術と治療を受けることになってしまったのです。
そんな状態なので当然ながら、当時の私は「次はどう働くか」と考える余裕などほとんどありませんでした。

まずは治療を受けること。生き延びること。それが最優先で、働くことはずっと先の話だったのです。
少しずつ回復し働き方を「試し始めた」時期
治療がひと段落し、「今すぐではないけれど、少しずつなら社会復帰できるかもしれない…。」そう思えるようになったのは、会社を辞めてから3年が経過した頃でした。
この時点でも、フルタイムで働く/正社員に戻る そういった選択肢は現実的ではありませんでした。
体力も気力も、以前の自分に戻ったわけではなかったからです。

そこで私が選んだのは、異なるタイプの働き方を実際に試してみることでした。
通勤あり×週3日のパート勤務

まず応募して採用されたのが、週3日・1日6時間の通勤型パート勤務でした。仕事内容は経理事務。これまでの職歴やスキルを活かせるものでした。
職場は私と社長の二人しかいない環境で、最初はどんな人なのか分からず不安を覚えていました。
しかし社長は特にクセが強い人ではなく、むしろたくさん人がいる環境では疲れてしまう私にはピッタリの職場でした。
また、勤務日数を週3日に抑えたことで、通勤による体力の負担もなんとかコントロールできていました。

このくらいなら続けられるかも…そう感じられたのは、久しぶりの感覚でした。
在宅で業務委託案件を受注|はじめての事務フリーランス

同じ頃わたしは、在宅で業務委託の仕事も受けるようになりました。この求人はおもに、子供を抱えて外に働きに出られない女性をターゲットにした媒体で見つけたものでした。
そちらで担当した仕事は、経理業務をはじめ、パソコンを使った事務仕事全般でした。たくさんの仕事が細切れになった状態で用意され、手を挙げたものが担当するという方式が取られていました。
業務委託の仕事なので、請け負った仕事を納品し、受領してもらえた段階で報酬が確定になりました。これは、同じ仕事であっても、人によって納品までにかかる時間は異なるということを意味します。
私のケースでも、最初は1,000円の仕事を納品するのに一日がかりになることもありました。

これが私にとってはじめての「事務フリーランス」の仕事でした。
通勤型パートと在宅ワークを掛け持ちしたのは、収入面の理由だけではありません。
この両方を経験したうえで、どちらが自分の体調や特性に合うかを見てみたかったのです。

頭で考えるより、やってみるほうが早い。そんな気持ちもありました。
働き方を絞りきる前に、もう一度立ち止まることになった

通勤型パートと業務委託の在宅ワーク。どちらにも少しずつ慣れてきた頃、思いがけないことが起こります。
長期治療の影響で高熱が治まらなくなり、急遽入院することになってしまったのです。熱が下がり退院できるようになるまで、4ヶ月掛かりました。
この入院がきっかけで私は、通勤を伴うパート勤務を退職することになってしまいました。「外に出て働くのは、まだ早かったのかな…」そう受け止めるしかありませんでした。
一方で、在宅での業務委託の仕事は、体調や期日と相談しながらその後も続けることができました。

結果的にここで私は、出社を前提としない働き方へ完全にシフトすることになりました。
いま選んでいる働き方について
その後の私は、大きな病気や症状は出ていません。
でも、「もう大丈夫そうだから元の働き方に戻そう」とは、思っていません。
体調が安定しているのは、無理のない働き方を選んでいるからかもしれない、そう感じているからです。

現時点では、在宅での働き方から変える予定はありません。
💡振り返り|働けるかではなくどうやったら続けられるか
振り返ると、大きな病気を経験するまでの私はずっと、「働けるか/働けないか」「正社員か/非正規か」というような、二択で物事を考えがちでした。
でも実際には、そのほかにたくさんのグラデーションがあったのだと思います。
- 週3日の通勤パート
- 在宅での業務委託
- 両方を掛け持ちする期間
- 完全在宅へ
体調や生活環境が変わるたびに、選ぶ働き方も自然と変わっています。
「うまくいかなかった」経験も、無駄ではなかった

結果だけを見ると、「通勤のパート勤務は続かなかった」「病気の影響でまた立ち止まることになった」「やっぱりダメだった」と感じてしまいそうになります。
でも、この期間があったからこそ、
こういったことを、実体験として理解することができました。

頭で考えていただけでは、ここまで具体的には分からなかったと思います。
「今はこれでいい」と言える働き方を選ぶのもアリ

今の私は、在宅での働き方を選んでいます。それは妥協でも逃げでもなく、これまでの経験を踏まえたうえでの選択です。
もしかしたら、また環境や体調が変われば、別の働き方を選ぶ日が来るかもしれません。
少なくとも今は、

これらを優先してもいいと、自分に許可を出せるようになりました。
同じように立ち止まっている方へ

病気や体調の問題があると、働き方の選択肢が一気に狭まったように感じることがあります。
でも実際には、
そんな余地は、ちゃんと残っています。

この体験が、「今は動けない」「選べない」と感じている誰かにとって、少しでも視野を広げる材料になれば嬉しいです…!

