私が今の働き方に落ち着いた理由|個人の背景と制度の変化を整理してみる

大草原の中に立つ案内標識 働き方を考える

私はもともと、
「これがあれば食べていける」
と言えるような、
突出した専門スキルを持っていたわけではありません。

難関資格を持っていたわけでもなく、
一貫したキャリアを積んでいたわけでもない。

体調やメンタルの波もあり、
働き方そのものに迷い続けていた時期が長かったと思います。

そんな中で選んだのが、
障害者枠で大企業に入る という道でした。

当時の私は、
「自分一人で仕事を切り開く力」よりも
環境に支えられながらスキルを積む経験が必要だと感じていました。

実際に入社してからの数年間は、
決して楽ではありませんでした。

仕事の進め方、求められる正確さ、
大企業ならではの価値観。

以前身を置いていた環境との違いに戸惑うことも多かったし、何度も、

「大きな組織のやり方は、
 自分には向いていないのでは」
と思いました。

それでも結果として、

  • 実務レベルで通用するスキル
  • 仕事の進め方や報連相の基本
  • 組織の中で働く感覚

こういったものを、
在職中の実務で身につけられたのは事実です。

いま振り返ると、あの時期に「揉まれる経験」ができたことは、
決して無駄ではなかったと思っています。

むしろ、

その後の選択肢を広げるために必要な、
「土台」になっています。

完全在宅のフリーランスをしている今でも、
会社員をしていた当時に身につけたスキルや考え方に助けられる場面は多いです。

だから私は、

「合わない環境で消耗しただけだった」とは思っていません。

まゆみ
まゆみ

当時の経験がなければ、
今の働き方に辿り着いていなかったと思うからです。


私が今の働き方にたどり着くまでの経緯については、連載形式でご紹介しています。
私の仕事と転職体験談


当時の制度・環境|精神障害者を取り巻く現実

頭を抱える女性

私が転職活動をしていた当時は今と比べると、

精神障害者を取り巻く制度や環境は、
かなり限定的だった

と感じています。

まず、法定雇用率が今より低く、
企業側にとっても、
「精神障害者を積極的に採用する」
という発想が、まだ一般的とは言えない時代でした。

例えば、
私が障害者枠で事務系の仕事を探していたとき

求人票には「障害者雇用」と書かれていても実態としては、
身体障害者「のみ」の採用を前提に考えている企業が多かったです。

対して、
精神障害については企業側が、

  • どう配慮すればいいのかわからない
  • トラブルが起きたら対応できない
  • 前例がないから不安

といった理由で、
敬遠されがちだったのが事実です。

まゆみ
まゆみ

過去に精神障害者の採用実績がない企業には、
書類を送っても選考で落とされるケースが大半で、
私もいっぱい落とされました…。

その背景として考えられるのは、

日本国内で最初に障害者雇用の対象になったのが身体障害者で、何十年ものあいだ身体障害者向けの制度設計が基準となっていたことが要因と考えられます。

参考として、
2018年に厚生労働省が発行した資料を含むページを添付しておきます。

精神障害者の雇用が法律で義務付けられた、当時の背景が記されています。
障害者雇用義務の対象に精神障害者が加わりました|厚生労働省ホームページ


一方で、

精神障害は症状が外側から見えにくく、波もあるのが一般的なため、
「どこまで配慮が必要なのか」が個人差で大きく変わります。

まゆみ
まゆみ

企業側の理解や経験が追いついていなかったのも、無理はなかったのかもしれませんね…。


結果として、
私が転職活動をしていた2014年当時の選択肢は、

  • 障害者枠で数少ない求人を探す
  • 一般枠でクローズ就労する
  • 体調次第では、
    働くこと自体を一度諦める

といった、かなり限られたものになりがちでした。

在宅勤務やフルリモートといった働き方も、
一部の専門職を除いて、当時はほとんど現実的な選択肢ではありませんでした。


そうした環境の中で、
私が「障害者枠で大企業に入る」という選択をしたのは、

まゆみ
まゆみ

制度的にも、現実的にも、
比較的妥当な考え方だったのかもしれません。
一人暮らしをしてましたしね…。


今は「選べる前提」がある時代になってきている

私が転職活動や働き方に悩んでいた当時と比べると、
精神障害者を取り巻く環境は、確実に変わってきていると感じます。

まず大きいのが、

法定雇用率の引き上げや制度の見直しによって、
精神障害者の雇用実績を持つ企業が増えてきたことです。

まゆみ
まゆみ

実際に公的機関が公表しているデータを見ても、精神障害者の雇用実績は、ここ10年ほどで大きく伸びており、採用人数はおよそ2倍以上に増加しています!

厚生労働省は毎年12月頃、障害別の雇用実績をデータ化して公表しています。
障害者雇用状況の集計結果|厚生労働省ホームページ

こうした資料の数字を見ても、

精神障害者を雇用すること自体が「特別なこと」ではなくなりつつあるという変化が、確かに起きていると感じられます。

また、働き方そのものの選択肢も広がりました。

  • 障害者雇用枠での就労
  • 一般雇用でのクローズ就労
  • 在宅勤務・フルリモート求人の増加
  • 業務委託・個人事業主としての働き方

以前であれば「どれか一つを選ばなければならない」ような空気がありましたが、現在は、

働き方を組み合わせたり、
段階的に移行したりすることも現実的に
なっています。

在宅ワークをする女性

ここで大切だと思うのは、

「フリーランスが正解」「在宅が正解」
などとは
決めつけないことです。

フリーランスという働き方も、
あくまで数ある選択肢のひとつに過ぎません。

私自身は、体調や通院頻度、
持病の再発リスクを考えた結果、
「今は在宅中心の働き方が合っている」と判断しました。

でも、
それがすべての人に当てはまる とは思わないです。

ただひとつ言えるのは、

まゆみ
まゆみ

今は「選べる材料」が、
以前よりも確実に増えているということです。

だからこそ、

  • 自分の特性スキル
  • その時点の体調や生活状況
  • 制度や求人の現実

これらを知った上で、

「今の自分に合う形」を選ぶことができる時代になってきていると感じています


まとめ

分岐点に向かう女性

今回の記事では、私自身の背景と、当時の制度や環境、そして現在の状況を振り返ってきました。

私が今の働き方に落ち着いたのは、
「最初からフリーランスを目指していたから」ではありません。

当時の制度の中で、
限られた選択肢の中から、健康状態やスキルを踏まえて選び続けた結果、
たまたま今の形に辿り着いた、という感覚に近いです。

精神障害者を取り巻く環境は、ここ10年ほどで確実に変わってきました。

法定雇用率の引き上げや、採用実績の増加、
在宅勤務や多様な雇用形態の広がりによって、
「働き方の選択肢」は、私が悩んでいた頃よりもずっと増えています。

だからこそ、

「精神障害者にはこの働き方が正解」
「フリーランスのほうが合う」
といった単純な話ではないと、
私は思っています。

大切なのは、

自分の特性や体調、スキル、そして、
今の制度や環境を知ったうえで、
その時点での自分に合う選択をすること

そして必要であれば、

途中で立ち止まったり、
方向を変えたりしてもいい、
という視点を持つこと

ではないでしょうか。

このブログでは私自身の体験を通して、

障害と共に生きていく道を考えるとき、

足元に広がっている選択肢は一つではない

ということを、丁寧に書いていきたいと思っています。

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