障害者転職体験談|特例子会社の正社員が一番と信じた私の末路は?【体験談④】

精神障害当事者女子の 転職体験談 (2) 障害者雇用・働き方の体験談

今回の内容は、前職を体調不良で退職後、精神障害者手帳3級を取得し、障害者枠で特例子会社に入社するまでのことを描いています。


※こちらは体験談連載記事の一部です

① 初めての転職
→ 社会人になってはじめての転職。理由は家業の倒産でした。

② 不眠症発症から障害者手帳取得まで
→ 仕事のストレスから不眠症を発症し、精神障害者手帳を取得するまで。

③ 退職後ハローワークに行った話
→ 退職後に初めてハローワークへ行き、障害者雇用について知ったときの話

【今回の記事はこちら▼】
④ 障害者雇用で転職するまで
当時の私は「大企業の正社員」を理想に転職活動を始めました。実際に応募してみて感じた壁や、最終的にどんな会社を選ぶことになったのかを振り返っています。

⑤ 特例子会社に正社員で入社したけれど上手くいかなかった話
→「大企業の正社員」という条件を重視して選んだ転職先。しかし入社してみると、想像とは違う現実が待っていました。働き方を見直すことになった当時の体験です。

⑥ 短時間勤務に変えたら遠距離介護が始まった話
→長時間通勤の負担を減らすため会社の近くに引っ越したものの、他にも大変なことが待っていました。

⑦ 介護休業から復職した後の話
→両親を失い一人ぼっちになって帰ってきた職場は、かなり居心地の悪さを感じるものでした。

⑧ 傷病休職から退職まで
→介護や復職によるストレスで休職していると、別の病気が見つかり手術入院することになってしまいます。

【現在の働き方(在宅ワーク)】———-

⑨ 退職後いろいろな働き方を試した話
→休職期間満了で退職することになった私は、今の働き方に繋がるさまざまな方法を模索していきます。

⑩ 現在の作業環境について
→このブログを執筆している私のデスク周りについてご紹介しています。



当時の私は、5年間に渡り無理を重ねて働いた会社を退職したばかりで、心身ともに疲れ切っていました。

女性がベッドで休んでいるイメージ

そんなボロボロの状態で、自身が障害者手帳を取れると知ったため、「これからの私は、障害者雇用で働くほうが安心なのかもしれない…」と考えるようになっていました。

当時の私は、障害者雇用に関する知識はほとんど持っていませんでした。

月1回ハローワークへ失業認定に行きつつ、ネットで見かける障害者求人を断片的に眺める状態からのスタートでした。

今振り返ると、その時点ですでにいくつもの先入観を抱えたまま転職活動をスタートしていたように思います。


\この記事を書いているのはこんな人/

まゆみ

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精神障害者手帳3級(うつ・パニック障害)を取得して約15年。特例子会社での勤務経験を経て、現在は在宅フリーランスとして働いています。自分のキャパを超えた働き方をした実体験をもとに、無理しない働き方について発信しています。

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障害者の転職は有名企業の正社員がベストと思っていた

面接を受けている女性

はじめて障害者手帳を持つようになった当時の私は、これから転職するなら障害者枠で正社員になるのが一番理想的と思っていました。

理由はとても単純で、

  • 途中で契約終了になる心配がない(また転職活動したくなかった)
  • ボーナスがあればそれなりの年収になりそう
  • 障害者枠だから当然、配慮や理解も大きそう

こういったイメージを強く持っていたからです。

さらに言えば、

どうせなら有名な大企業に行けたらいいな。もしくは、それに準ずるくらいの会社で働けたら、いちばん理想だな───。普通に応募したら、私くらいの経歴だとなかなか採用してもらえないし……。

とも思っていました。


一方で、

契約社員やパート・アルバイト、あまり聞いたことのないような名前の会社については、無意識のうちに優先順位を下げて見ていたと思います。

まゆみ
まゆみ

次は、安定した環境で長く働きたい…もう30代後半だし、できれば骨を埋めるくらいの気持ちで…!

そんな感覚で、次の職場を探していました。

また当時の私は、実家に頼って生活できる状況でもありませんでした。そのため、一人暮らしで不自由なく暮らせるくらいの額面(給与)は欲しいと考えていました。

そうなると、契約社員やアルバイトなどの求人は、どうしても選択肢から外れていきます。

結果として、私は「正社員であること」「ある程度の給与」を重視して、求人を絞り込むようになっていきました。


障害者向け転職サービスにも登録してみた

スマホを見る女性

障害者雇用での転職活動を始めた当時、私はネットで見つけた障害者向け転職サービスにもいくつか登録していました。

求人サイトや転職エージェントなど、「障害者雇用」と書かれているものはとりあえず登録して、どんな求人があるのかを見てみようと思ったからです。

当時はまだ障害者雇用についての知識もほとんどなく、とにかく情報を集めないと始まらない、そんな感覚で、できるだけ多くの求人を見ることを優先していました。

ただ、求人を見ているうちに、少しずつ気づき始めたことがありました。

「障害者雇用」とひとことで言っても、仕事内容や雇用形態・給与の額などは、本当にさまざまで幅が広いということです(まったく昇給がない求人も結構ありました)。

そしてもう一つ、転職活動を進めていくうちに、思っていた以上に大きな壁を感じることになりました。


障害者枠の正社員は書類がなかなか通らない|面接2社のみ

体調不良を抱える女性

実際に私が求人へ応募するようになると、思っていたよりも書類選考が通りませんでした。

これは今思うと、大手の正社員前提の求人だけを狙っていたからだと思います


いくつも資格を持っているし、何社か応募するうちに面接に進める会社が出てくるだろう────

最初はそんなふうに軽く考えていたのですが、応募しても応募しても、なかなか次のステップに進めない状態が続きました。

正確な数は覚えていませんが、最終的には20社前後には応募していたと思います。

いま「応募20社」と聞いても普通に感じるかもしれません。しかし、私が転職活動をしていた当時は、現在のようにオンラインで履歴書を送れる時代ではありませんでした。

面接を受けている女性

履歴書は手書きが基本でした。証明写真はどこかで撮影し、履歴書に貼付し、大きな封筒に入れて郵送するのがセオリーでした。

そのため、1社応募するたびに履歴書を書き、写真を貼って郵送して……という、気の遠くなる作業を繰り返していたのです(書き損じたら貼った写真は剥がして、新しい履歴書に貼り直してました)。

それでも、面接まで進めた会社はたった2社だけでした。

「あれ?思ってたより全然書類が通らない……?」

そんな違和感を感じながらも、当時の私はまだ、その理由をはっきりとは理解できていませんでした。しかし、なかなか書類選考が通らない状況が続くと、だんだん自信も削られていきます。

不採用の理由が詳しく説明されることはほとんどなく、「今回はご縁がありませんでした」というような定型文のメールが届くだけでした。

まゆみ
まゆみ

後になって分かったことですが、当時の障害者求人には、企業側が採用者に想定している障害の種類があることも少なくありませんでした。たとえば、求人票には明記がないものの、実際には身体障害者だけを採用対象としているケースです。

ただそういった情報は、求人票から読み取ることはできませんでした。

当時の私はそのような背景があることを知らず、ただ「自分のスペックが足りないのかもしれない…」とマイナスに受け取りつつ、応募を続けていました。

当時の私は、失業手当を受け取りながら転職活動をしていました。受給期限はまだ残っているとはいえ、「そろそろ次の仕事を見つけなければ…」という焦りも少しずつ大きくなっていきました。


障害者枠の正社員に絞ると選択肢は絞られた|雇用形態と給与

色んな絵札のトランプ

障害者雇用の正社員。できれば大企業の───

そんな条件を軸にして求人を見ていくと、最初はそれなりに数があるように見えていたものの、選択肢はどんどん減っていきました。

雇用形態・給与・仕事内容・勤務地・勤務時間……。一つ条件を確認するたびに、「これは違うかもしれない…」と、候補から外すことの繰り返し。

まゆみ
まゆみ

最初は、「求人はたくさんあるなかから選べる」という感覚でスタートしていました。でも気づけば、選べる求人はどんどん減っていき、残っているものを眺めているだけのような感覚になっていきました。

それでも当時は、

これくらい絞られるのは仕方がない。そもそも私のスペックはそこまで高くはないし、私には障害者雇用しかないんだから選り好みはできない───。

そんなふうにも思っていたのです。


最終的に私の手元に残った障害者枠|正社員と契約社員の2択

疑問のイメージ

最終的に、私が面接まで進んだ会社は2社でした。私のなかでざっくり2社を比較すると、以下のような感じになります。

比較対象A社B社
雇用
条件
 契約社員  一定期間後
正社員登用
給与  普通
 賞与無し
 高め
 特に賞与
会社  無名超有名企業の
子会社
通勤
時間
  30分  100分
雰囲気  穏やか  体育会系
まゆみ
まゆみ

ここから先は上記の比較表をもとに、A社・B社という呼び方で説明していきます。


A社は、ハローワークの面接会で応募した会社です。実習まで進み、そのまま採用の話をいただきました。

この会社は契約社員での募集でしたが、勤務地は自宅から片道30分ほど。私が住んでいたエリアの繁華街にあり、通勤のしやすさという点ではかなり魅力的でした。

企業側は初めての障害者雇用のようでしたが、職場の雰囲気も穏やかで特別に構えている感じもなく、いわゆる「普通の会社」という印象でした。

ただ、当時の私はその会社の名前をまったく聞いたことがなく、「ここって本当に大丈夫な会社なのかな……」という不安を、どこかで感じていたと思います。


B社が、最終的に私が入社することになる、有名企業の特例子会社でした。

こちらは正社員前提での募集で、給与条件も比較的よく、誰もが名前を知っている企業の子会社という安心感がありました。

ただし、通勤時間は片道1時間40分。距離だけを考えれば、かなり負担が大きい条件だったと思います。

遠いな……。雰囲気も、ちょっと自分と合わないような……。

そんな違和感は確かにありました。

それでも、正社員で給与は安定していて、有名企業のグループ企業という条件を前にして、当時の私は「なかなかこんな良い条件の会社に入れる機会なんてないかも…」と思っていました。

そんな焦りにも近い気持ちから、私はその会社を選ぶことになります


💡振り返りポイント

questions

いま振り返ってみると当時の私は、「自分に合う雰囲気の職場か」や「無理なく続けられそうか」といったポイント以外の部分を重視してしまっていました。

「障害者枠で転職するなら、できれば安定した大企業の正社員が最強」

そんな価値観を第一に、転職活動を進めてしまっていました。

今振り返ると、もうひとつの選択肢であった「通勤片道30分で、穏やかな雰囲気の会社」も、決して悪くなかったのかもしれません。


当時の私が選ぼうとしていた会社は、たしかに大企業の特例子会社でした。

しかし、立地はこれまでほとんど行ったことのないエリア(田舎)にあり、通勤には片道1時間40分ほどかかるという条件でした。

まゆみ
まゆみ

ここを選んで本当に大丈夫かな……

そんな小さな違和感も、どこかで感じていたように思います。

それでも、「有名企業グループの正社員」という条件に強く惹かれ、結局はその会社を選ぶことになってしまいます。

この選択が、その後どんな結果につながったのか──。それは、次の体験談で書いていこうと思います。


私が転職活動していた当時と比べ、現在は法定雇用率がかなり上がっています適切な準備を進めていくことで、転職の失敗を防ぐことができます。

私のブログでは、自身の経験をもとに今の段階に応じて選べる転職支援情報を共有しています。


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次の体験談はこちらです。タイトルから結果がにじみ出ていますね…。

障害者雇用で正社員として入社したけれど上手くいかなかった話

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